大阪府交野市に本社を置く霊園開発・墓石販売業の西鶴は、ハピネスパーク交野霊園に、路面電車を再利用した電車法要施設を国内で初めて新設した。
この京都市電、通称「N電」は、明治45年の製造から昭和36年まで京都市民の足として街を走っていた鉄道ファンにも人気の車両。
廃車後は京都市右京区嵯峨にある大覚寺で保存され、その後、京都市北区の大宮交通公園に50年ちかく展示されていた。
ハピネスパーク交野霊園に移り電車法要施設として再スタートを切ったこの車両は、霊園の中からのほか、外からも電車の姿を眺められる。
京都市は今回、譲受希望者を募集し、西鶴が譲り受けることになった。西鶴は今回の車両譲受についてこう語っている。
「もとより、わたしどもハピネスパーク交野霊園には法要を行える施設がなく、同霊園に法要施設を設置することは、わたしどもの大きな目標のひとつでした」
「その目標をかなえるにあたり、どうしても実現したかったことがあります。それが『ご家族と一緒にお墓参りに来た子どもたちの記憶に残る霊園でありたい』というものです」
「何度でもお墓参りに行きたくなる霊園づくりをめざし、先祖の存在をいつも胸に抱いていただき、今生を精一杯生きる道しるべにしていただきたい。そのためには、未来を担う子どもたちにとってお墓参りが楽しいものでなければなりません」
「電車を利用した法要施設は他に例がなく、世界初の法要施設といえるかもしれません」(西鶴)
同社のこうした想いから、今回の電車譲渡が実現。譲渡後の車両は、走行時のようすをできるだけ維持し、また新型コロナウィルス感染症に対応するため換気をよくするなどし、車内と外装を整備した。
4月1日には、この電車法要施設の“完成披露お披露目会”を実施するという。
バラ園のような霊園としても知られるハピネスパーク交野霊園は、JR津田駅より車で3分。住所は大阪府交野市東倉治2-1521。