
「ときを戻そう」
サンミュージック芸人 ぺこぱ シュウペイ 松陰寺太勇 のお決まりセリフじゃないけど―――。
この画は、2011年1月の東急東横線 渋谷駅の風景。
そう。この時代は地上2階部分に頭端式くし形ホーム(行き止まりホームが“くし状”につくられてるホーム)があるころ。
この光景を覚えてる人は、もう40代以降かもしれない。
いまここは、渋谷ストリーム

いま、ここは渋谷ストリーム。
東横線の線路は東京メトロ副都心線と直通運転すべく、地下化されて、この線路跡地空間に渋谷ストリームができた。
ちなみに、行き止まりホームにとまるこの電車、東急9000系は2013年に東横線の仕事から退いた。
この画も、なつかしい。なつかしい、という言葉は禁句だね。もう。
もっというと、車両形式のナンバリングで、「9」はだいたいプロトタイプや試行的な意味合いが強いなか、東急が系統を重んじてつけたナンバリング。
個人的には、「東急の東急を表す、いいくるま」。
コートを着込んだ通勤客の姿も、なんとなく10年以上前


画像からみると、入線時にホーム中ほどから、ヘッドライト(前照灯)をオフにしてたみたい。
こうした頭端式ホームでは、行き先表示をすぐに次の列車の目的地にかえて、ヘッドライトを消して、とまったとたんにテールラントが灯る……というのが常。
コートを着込んだ通勤客の姿も、なんとなく10年以上前。
携帯電話を開く中年サラリーマン(死語)のむこうには、いまも主力の東急5000系列。
ブレハンを引き抜き、シュパンっ!というエアー抜けを響かせて

すべてが個人的だけど、頭端式くし形ホームは、こうした美しい光景がある。
欧米の鉄道ターミナルではまだある、かっこいい景色。
列車の先頭がみえて、頭上に列車情報が次々と映し出される。
その表示をみて、人はくし形のホームの出発番線表示をめがけて、足早にむかっていく。
停止位置につけた運転士は、ブレハン(ブレーキハンドル:いまはない)を引き抜き、シュパンっ!というエアー抜けを響かせ、折り返し業務へむけて最後尾の運転室へ歩いていく―――そんな光景がむかしにはあった。
圧倒的な正義なのか 絶対的な悪なのか

14年前の2011年1月、東急東横線 渋谷駅には、高橋克典主演 テレビ朝日系列『悪党〜重犯罪捜査班』の広告ジャックが……。
「圧倒的な正義なのか。絶対的な悪なのか。」
内山理名も、若い。もちろんいまもきれい。
右の青い電車は、元町・中華街駅へと乗り入れる横浜高速鉄道みなとみらい線 Y500系。ほとんど東急5000系列と同じだけど、これもかっこいい。
渋谷はまだまだ、進化する

んで、たったいまの渋谷を遠景。
画像右奥、首都高の左下にある蒲鉾(カマボコ)型の建屋が、地上時代の東急東横線 渋谷駅 ホーム構造空間。
正面の白い建物はなに? それはまたこんど。
―――頭端式ホーム時代の東急東横線の光景は、それはそれでなつかしい。
東京メトロ副都心線と相互直通運転をして、西武線や東武線とも直通して、世の中の暮らしをガラッと、いやガラッとどころじゃない、バコーンと変えた。
渋谷はまだまだ、進化する―――。
池袋も新宿も渋谷も、仕事で行く以外は興味がない自分にとっても、そのダイナミズムは、元気をくれる。
いいね。

