
くり返す汗、ベタつきによる経済的損失額は年間 7616億円!
そんな衝撃的なデータを公表したのが、スキンケアブランド「メンズビオレ」などを手がける、花王。
岸博幸教授「快適な肌状態の持続が生産性向上のひとつに」

花王スキンケアブランド「メンズビオレ」は、全国20~50代のビジネスパーソン218名を対象に、くり返す汗・ベタつき、身体のニオイ に関すて調査。
その結果、仕事中の くり返す汗・ベタつき が生産性に影響を与えている実態が明らかに。
とくに、20~50代の約9割が仕事中に くり返す汗・ベタつき に悩み、約9割が他者の目を気にしていることがわかってきた。
また、この くり返す汗・ベタつき による業務効率の低下が、経済全体に損失を与える可能性も見えてきた。
九州大学 馬奈木俊介教授が試算した結果、くり返す汗・ベタつきによる損失額は年間約7,616億円に上る可能性があると推定。
日本は深刻な労働力不足が懸念されるなか、限られた人材での生産性向上が求められている。
この結果を受け、慶応義塾大学大学院 岸博幸教授は、「快適な肌状態の持続が生産性向上のひとつになる」と指摘している。
―――そこでまず、調査結果をまとめてチェックし、九州大学 馬奈木俊介教授、慶応義塾大学大学院 岸博幸教授の考察をみていこう。
くり返す汗・ベタつき、身体のニオイが仕事の悩みに? 約99%が「他者の目」を意識

仕事中に「くり返す汗・ベタつき」に悩んでいると回答したビジネスパーソンは93%。
また、99%が仕事中の対人でのコミュニケーションにおいて他者の目を気にすると回答した。
ビジネスシーンで行動にも影響
会食で発言を控える 6割以上




67%のビジネスパーソンが会食中に相手に気を遣って発言を躊躇した経験ありと回答。
くり返す汗・ベタつきによって生産性が落ちたと感じた時間は1日あたり平均約22分に!


九州大学 馬奈木教授は生産性低下による日本の経済損失額は年間 約7616億円と試算し、こう考察する。
「ビジネスパーソンの職場環境や働き方の改善が、個人のパフォーマンス向上に直結することは、これまでも多くの研究で明らかになっています。
とくに、汗やベタつきによる不快感が対人関係におけるストレスや業務効率に与える影響は軽視できません。
長時間にわたり肌を快適な状態に保つことは、集中力の維持やストレス軽減につながり、結果として企業全体の生産性向上にも寄与します。
実際に私自身で試算を行ったところ、くり返す汗・ベタつきケアが企業の生産性に年間 約7,616億円の影響を与えることが分かりました。
このような視点からも、ベタつきの無い快適な肌を実現するための取り組みは、今後ますます重要になると考えています」(馬奈木教授)
汗・ベタつき・ニオイ対策
汗拭きシートが圧倒的人気
スプレーやロールオンも併用

くり返す汗・ベタつき、身体のニオイ対策として最も使用されているのは汗拭きシートという結果に。
また「汗拭きシート」に加え、「ロールオン」や「スプレー」などの制汗アイテムを併用する人も。
―――こうした結果を受け、慶応義塾大学大学院 岸博幸教授 は、こう総評する。
「生産性の観点から由々しき事態」

「日本経済の最大の課題は労働生産性の向上ですが、今回の調査で、一見ささいに思われがちな くり返す汗・ベタつきや身体のニオイ がそれを大きく妨げていることが明らかになりました。
ビジネスのプロセスは単純化すると、新しいアイディアを創り出す、それを実行する、という二段階になります。
どちらも個人ではなく組織で行なうことを考えると、その生産性を高めるには職場での円滑なコミュニケーションが不可欠です。
それを促進するためにも、社員の日常的なベタつきケアという新たな視点を企業も意識すべきではないでしょうか。
また、新しいアイディアを創出する段階では、脳をフル回転して集中して考えることが必要ですが、スマホの影響で人間の集中力が大きく低下している中で、汗やベタつきによる不快感がそれをさらに低下させているのも、生産性の観点から由々しき事態です。
長時間快適な肌を保つことは、働きやすさの向上だけでなく、対人関係の円滑化や企業の生産性向上につながります。
一人ひとりが快適に働ける環境を整えることこそ、これからの企業や社会に求められる重要な視点ではないでしょうか」(岸教授)