「バイトル」「はたらこねっと」などの求人情報サイトを手がけるディップ(dip)は、昨年末から展開する「ディップ・インセンティブ・プロジェクト」の途中経過について公表。
このディップ・インセンティブ・プロジェクトは、採用力の強化、人手不足の解消を支援することで働く人の待遇向上実現を図るプロジェクトで、同社採用コンサルタントが、顧客企業に従業員の定着や採用競争力向上の施策を提案し、賃金アップした求人や高収入の求人、入社祝い金や継続勤務ボーナスなどを支給する求人情報を、求職者にわかりやすく表示している。
プロジェクト立ち上げから4か月が経ち、アルバイト・パートの時給アップや待遇向上、企業の人手不足解消などの、一定の成果がみえてきた。
アルバイト平均時給は過去最高を記録、待遇改善への動き
まず「バイトル」での12月アルバイト平均時給が、全国平均で1,210円と過去最高を記録。
求人件数の増加や有効求人倍率の上昇傾向もみられ、求人意欲が依然高いことがうかがえる。
また、国内の労働力人口減少や少子高齢化といった構造的課題に加え、コロナ禍での求人需要の高まりや、“人”への投資を積極的に行いながら待遇改善を図っていく企業も増えてきたという。
介護系職種は求人件数は昨対同月比+59%、時給も+9%に
また「バイトル」内における1月の介護系職種求人件数は、昨対同月比で+59%と大きく増加。
求人需要の高まりに合わせて時給の上昇もみられ、2021年12月の時給は昨対同月比+9%に。
さらに昨年5月より運営を開始した専門職の総合求人サイト「バイトルPRO」内においては、介護系職種の求人件数はサイト全体の3~4割を占め、件数も増加を続けていることから、需要の高さがうかがえる。
動き出す飲食店、求人件数は約2倍に
いっぽう、まん延防止等重点措置の影響で、時短営業を続ける飲食店も多くあるなか、3月末の解除後に飲食店利用者が増えることを見込し、採用活動が活発に。
「バイトル」内における飲食系の平均時給は1,029円と、緊急事態宣言が全国的に解除された昨年10月以降高い状態をキープ。
また、2022年2月の飲食系求人件数は、昨年10月と比較して約1.8倍と大きく増加。昨年10月以降は毎月増加を続け、時短営業などが求められるなかでも求人需要は高く推移している。
ことし3月度のアルバイト平均時給調査では、全国の平均時給は1,207円、前月比8円増、前年比52円増。求人件数は約30万3,000件で、前年同月比で約1.7倍に。
こうした推移について同社は、「学生の卒業時期と、まん延防止等重点措置の解除のタイミングが重なり、通常営業の再開に向けた飲食店をはじめ、アパレルやスーパーなどの販売スタッフ、塾講師などの求人件数が増加し、時給が上昇している。またワクチン会場の運営スタッフや、今後対面イベントが増加していくことを見すえたイベント設営・運営のスタッフに関する求人が増加している」と伝えている。