団地のなかで眠る新幹線0系の行方、車内は3月末から客の姿が消えて

団地に囲まれた公園のなかに、しれっといる新幹線0系 先頭車。車番21-100。

ここは東京都昭島市。行き先方向幕「ひかり 東京」を出し、昼間、客ドアは開放され、車内に親子などが出入りしていた。

昭島市民図書館 つつじが丘分室(新幹線電車図書館)。

1991年廃車の新幹線0系 21-100 はいま、岐路に立たされている。昭島市はことし1月、こう伝えた。

「つつじが丘分室(新幹線電車図書館)閉館のお知らせ:3月28日に、つつじが丘南小学校跡地に新しい図書館がオープンするのに伴い、つつじが丘分室は閉館することになりました。長い間ご利用いただき、ありがとうございました」(昭島市)

客室内は、図書館として活用。座席にこしかけて本を閲覧できる。一時は運転室も入れた。行き先方向幕が変わったり、前照灯がついたりも……。

東海道・山陽新幹線を駆け抜けた0系 21-100 は、廃車の翌年、1992年にここ昭島にやってきた。

走るのをやめたこの先頭車は、28年間、図書館として役目を果たしたいま、その行方が注目されている。

実はこの新幹線電車図書館から、14キロ北西にも、0系がいる。

青梅鉄道公園内に保存されている0系 22-75。

同公園が昭島の0系 21-100 を引き取り、2つの先頭車が並ぶ姿を……という淡い期待の声もある。