カプセルコーヒーや専用コーヒーメーカーなどで知られるコーヒーブランド「NESPRESSO」(ネスプレッソ)が取り組む、循環型ビジネスモデルへむけた新たなアクションに、ひとつの成果がみえてきた。
NESPRESSO(ネスプレッソ)は、独自のリサイクルプログラム「ネスプレッソ リサイクルプログラム」を2020年8月から日本でスタート。
ネスプレッソのカプセルコーヒーに使われているカプセルは、コーヒーの鮮度、味わい、品質を守るために最適な包材としてアルミニウムを使用している。
このネスプレッソでコーヒーを淹れたときに出る使用済みカプセルを回収し、リサイクルしている。
約230トンの使用済みカプセルを回収
こうした循環型ビジネスモデル構築にむけた動きは、ネスプレッソでは「コーヒーが育つその地球に敬意を払い、持続可能なコーヒーの提供にむけた取り組みのひとつ」という。
同社では、これまでに約230トンの使用済みカプセルを回収。再生アルミニウムと堆肥・培養土の材料へとリサイクルしてきた。
「ネスプレッソ リサイクルプログラム」の流れ
「ネスプレッソ リサイクルプログラム」の流れは、(1)専用のリサイクルバッグに入れた使用済みカプセルを、最寄りのカプセル回収ボックス設置店舗へ持ちこむ。(2)回収した使用済みカプセルは、リサイクル施設に運ばれ、(3)アルミニウムとコーヒーかすに分別される。
(4)分別したアルミニウムは、再生アルミニウムとして再利用され、(5)分別したコーヒーかすは、堆肥・培養土の材料として活用される。
ネスプレッソ再生アルミニウム、まずはコースターに!
リサイクルしたアルミニウムの用途は、多彩。
アルミニウムは、食品パッケージから、クルマ、コンピュータ、窓枠、自転車など、あらゆる製品の素材として再利用できる。
スイスでは、ネスプレッソの使用済みカプセルから新たな製品をつくり出す「セカンドライフプロジェクト」に賛同した企業とコラボレーションし、「カランダッシュ」社製のボールペンや自転車などを生み出す取り組みも実施している。
気になる日本国内では、回収したカプセルを使用した再生アルミニウムのコースターを試作し、今後の展開を検討しているという。
コーヒーかすは醗酵・熟成させ培養土へ、飲食店やホテルへ提供も
使用済みカプセルの回収後、アルミニウムと分別したコーヒーかすは、再生利用資源として集められた剪定生木、草木、刈り芝などからつくられたチップと混合される。
約1年もの時間をかけてゆっくりと醗酵・熟成させることで、微生物の力を引き出し、じっくりと熟成させた植物性堆肥・さらに家庭菜園などにも利用できる培養土へと生まれ変わる。
ネスプレッソは今後、培養土はネスプレッソコーヒーメーカーを導入するホテルやレストランなどにも提供していくという。
培養土とアルミコースターの初公開イベントを東京・六本木で開催
ネスプレッソは、日本で回収した使用済みカプセルコーヒーのコーヒーかすとアルミニウムをリサイクルして完成させた、培養土と再生アルミニウムコースターを、11月30日、ザ・リッツ・カールトン東京で初公開。
「ネスプレッソ サステイナビリティプロジェクト」プレス発表会と題したイベントには、ネスレネスプレッソ ピエール・デュバイル代表取締役社長、同 中岡美智子 ブランドコミュニケーションマネージャー、同 上野里佳コーヒーアンバサダー、そして俳優 玉木宏、NARISAWA 成澤由浩シェフらが登壇し、それぞれのサステイナビリティ考を伝えた。
「味わい豊かなコーヒーは、上質なコーヒー豆からつくられる。ネスプレッソでは、世界中を旅する専門家が、テロワールといわれる標高、気候、土壌の厳しい条件を満たしたごくわずかな生産地を選択して栽培。さらに、コーヒー豆一粒一粒を大切に、ダイヤモンドを扱うように、収穫や精製、選別を行っている」
持続可能品質プログラムからコーヒー豆を入手するネスプレッソ
「また、上質なコーヒー豆を安定的に調達し、生産者に対して経済的・環境的・社会的にポジティブな影響を与えることを目的とした独自の『AAA サステイナブル・クオリティ(持続可能品質)プログラム』からコーヒー豆を入手しているのも特徴」
「焙煎やブレンドなどの各工程で、スイスの専門家たちがつくり出したコーヒーは、鮮度を守るアルミニウム製カプセルに包まれ、コーヒースペシャリストの手から、ユーザーの手に渡る」
「使用済みのカプセルは、回収ボックス設置のブティックにてリサイクルに向けて回収している。コーヒーチェリーの栽培から、コーヒーを味わっていただく瞬間まで、そして飲み終えたその先まで、ネスプレッソは情熱を込めて至福の一杯を届けている」(ネスプレッソ)
◆ネスプレッソ リサイクルプログラム
https://www.nespresso.com/jp/ja/coffee-recycling