いま、昭和期に建造された高速道路や空港、鉄道、学校などで、老朽化による地盤沈下で問題が山積している。
こうした地盤沈下などが原因で、沈下・段差・傾き・空隙が生じた建物のコンクリート床を、修復する事業を手がけるのがアップコン。
従来工法の10分の1の短工期、かつ既存の床を壊さず、環境にやさしい“ノンフロンウレタン”を使った、世界唯一の「アップコン工法」で業界から注目を集めている。
そんなアップコン(http://www.upcon.co.jp/index.html)が、7月21日に東京証券取引所 TOKYO PRO Market に新規上場。
同社はこの日、東京証券会館で記者説明会を開き、松藤展和 代表取締役社長が今後のビジョンや成長戦略について語った。
独自のウレタン樹脂技術で工期大幅短縮、操業も継続できる
コンクリート床スラブ沈下修正工法のひとつ「アップコン工法」は、沈下・段差・傾き・空隙ができたコンクリート床に、直径16mmの穴を開け、そこに注射器のような機材でウレタン樹脂を注入していく。
床下に注入された樹脂は、短時間で発泡し、地盤を押し上げ硬化。もとの高さや平面まで復帰させるという工法。
このアップコン工法で、従来のコンクリート打替えに比べて10分の1の工期で補修工事が完了できる。
また、安全なノンフロンウレタン樹脂を使用し、現場にある機械や荷物を動かさず操業を止めずに修正できるといったメリットもある。
ウレタン技術の新工法開発や研究プロジェクトを推進
「東証上場した企業として、さらに社会に貢献する新工法開発や研究プロジェクトを推しすすめていきたい」と語るアップコン 松藤展和 代表取締役社長は、シェア拡大・新市場創出・グローバル展開という3つの成長戦略について説明した。
「インフラの老朽化や気象災害、工場・倉庫の拡充などで、沈下修正事業のニーズが今後もますます高まっていく。われわれが持つウレタン樹脂技術と施工実績で、さらにシェアを拡大させたい」
また同社は今後、関東甲信越地方や関西・北海道などを重点エリアと位置づけ、「売上シェア1位を確立していく」という。
さらに提携するベトナム Lac Viet 社などと共同で、海外への展開も図っていく。
ウレタン樹脂技術を横展開、新規応用分野や新事業へ
7月21日、東京証券取引所 TOKYO PRO Market に新規上場したアップコン。
その松藤展和 代表取締役社長は今回の説明会の最後に、こう伝えていた。
「ウレタン樹脂を使用した沈下修正施工や、公共施設の復旧を通して、暮らしやすい社会とストック型社会の実現にさらに貢献したい」
「また、ウレタン樹脂の新規応用分野への研究開発に取り組み、新たな事業も手がけていきたい」