睡眠の質を高めて心身ともに健康に! ナイトウェルネスにおすすめの“良眠みそ汁”が美味しすぎた!

いま、注目されている“well-being(ウェルビーイング)”という言葉、知ってる?

「幸福で肉体的、精神的、社会的すべてにおいて満たされた状態」を指し、現代のストレス社会においてはウェルビーイング向上は重要なキーワード。

心身ともに健やかに過ごし人生を豊かにするためには「睡眠」を侮ってはいけない。

つい先日発表された日経トレンディの2022年ヒット商品ランキングでも”ナイトウェルネス”がフューチャーされていたのは記憶に新しい。

何を隠そう筆者自身もコロナ禍に入り不規則な生活のせいか不眠に悩まされている。

最近の研究では、良い睡眠は幸福感につながることが分かっており、睡眠はウェルビーイング向上の要と言えるだろう。

今回は睡眠の専門医、睡眠栄養士の方に、この季節に注意すべき不眠症状やその対策を聞いてみた。

医師が警告!ミドルシニアで増加する不眠はこの秋冬に要注意!

睡眠専門医の坪田聡医師(雨晴クリニック院長、日本睡眠学会所属医師)は、コロナ禍において特にミドルシニア世代に不眠が増えているという。理由を以下のように説明している。

◆ミドルシニアに睡眠問題が多い理由は 「メラトニン」の減少
質の良い睡眠に重要なのは睡眠ホルモンのメラトニン。なかなか寝付けない入眠障害や、夜中に何度も目が覚める中途覚醒の解消が期待できる。ミドルシニアはメラトニンの分泌量が減る傾向にあり、睡眠の質に悪影響をもたらす。特に50代の女性は女性ホルモンの急激な減少により男性よりも睡眠に不満を感じる人が多いといわれている。

◆外出自粛やストレスが不眠に拍車
コロナ禍での運動不足やストレスなどが原因で睡眠の質が低下し、不眠に悩むミドルシニアが増加している。
元来ミドルシニアは不眠の悩みを抱えやすいとされているが、コロナ禍で3年目を迎える今年の秋冬は例年以上に不眠への警戒が必要といえる。

さらに、日照時間が減り寒くなる秋冬は、自律神経が乱れやすく、不眠症になりやすい季節だという。

「秋は気温が下がり眠るときもクーラーが不要になるため睡眠の問題は少ないと思われがちですが、日照時間が短く、外出や運動をする機会が減るため、脳で分泌されるセロトニンが減少しやすくなります。セロトニンはメラトニンを生成する原料になるため、セロトニンの減少は不眠問題を引き起こします。また不眠は、元々ミドルシニアに起こりやすい糖尿病や高血圧等の「生活習慣病」のリスクを高める要因の1つとされるため、不眠になりがちな秋冬は特に要注意です」と坪田氏は話す。

「不眠」が生活習慣病の入り口に 恐ろしい“負のスパイラル”とは?

さらに、最近の研究では不眠が生活習慣病の原因になり、いっぽうで生活習慣病の人は不眠に陥りやすいという「負のスパイラル」があることがわかってきている。

睡眠不足の人は食欲を抑えるホルモンであるレプチン分泌が減少し、逆に食欲を高めるホルモンであるグレリン分泌が増加する。ついつい食べ過ぎてしまうことで肥満に繋がり、糖尿病、高血圧、脂質異常症など「生活習慣病」につながるのだ。

さらに、慢性的な不眠症患者は、血糖値を上昇させる糖質コルチコイドが過剰に分泌され糖尿病のリスクが1.5~ 2倍ほど増加するとされる。

いっぽうで大阪市立大学の研究によると糖尿病患者では、そうでない人に比べて不眠が約2倍みられるという。

このように生活習慣病と不眠は相互に影響し合い、どちらかを発症してしまうと負のスパイラルに陥るリスクがあるということなので要注意だ。

不眠症が生活習慣病を引き起こすというのは驚きだが、坪田氏によると“意外なもの”で不眠や生活習慣病の対策ができるという。

それが、日本人にはなじみ深い「おみそ汁」だ!

睡眠専門医、睡眠栄養士が不眠・生活習慣病対策に「朝・夕2回のおみそ汁」を薦めるのはなぜか?

不眠対策には栄養をまとめて摂取できる”おみそ汁”がおすすめ。

管理栄養士の篠原氏によると、メラトニンの生成に必要な栄養成分をまとめて摂取できる「みそ汁」は不眠の予防におすすめとのこと。

「味噌にはメラトニンの素となる栄養成分の「トリプトファン」が豊富に含まれるほか、様々な具材を入れることで、食材に含まれる栄養素をいっぺんに摂取できます。また、汁物なので食材から流れ出た栄養素を余すことなく摂取できます。みそ汁は不眠対策、生活習慣病の対策におすすめです」と篠原さんはいう。

◆不眠対策のおみそ汁は 「朝夕で食べる」のがおすすめ

さらに、睡眠の質を高めるには朝・夕で2回食べることが理想的だという。

「トリプトファンは 14 時間前後でメラトニンに変化するため、朝食でみそ汁を食べると夜までに十分な量のメラトニンが生成され睡眠の質を高めることにつながります。

また、人間の身体は体温が上がる時に目覚め、下がってくると眠くなる仕組みのため、秋冬の夕飯にいただく温かいみそ汁によって上がった体温が手足から放熱され自然な入眠に繋がります」(坪田さん)

―――専門家が「不眠」「生活習慣病」対策にみそ汁をおススメしている理由を理解したところで、ミソドという会社が「良眠みそ汁」というユニークな取り組みをしているという情報を得た。

良眠みそ汁は睡眠の専門医と睡眠栄養士監修のもと、不眠対策に特化した食材を選定し、人気の料理研究家と開発したレシピだ。都内で「良眠みそ汁」の料理教室が開催されると聞き、実際に体験しに行った。

今回の料理教室では不眠症・生活習慣病対策におすすめする「良眠みそ汁」レシピ2品を紹介。

なぜ不眠症・生活習慣病対策におみそ汁がおすすめなのか、専門家の解説付きで、参加者は熱心にメモを取りながら聴講していた。

冷凍野菜や豆乳、アボカドを使ったレシピが新鮮だった。

「アボカドとツナの良眠みそ汁」と「あさりとほうれん草の豆乳良眠みそ汁」の完成!

いざ食べてみると、「アボカドとツナの良眠みそ汁」の方はツナのコクとアボカドのまろやかさがベストマッチして食欲をそそる。

「あさりとほうれん草の豆乳良眠みそ汁」はあさりのだしが豆乳のクリーミーさと合わさってなんともホッとする味わいに仕上がっていた。

以下で紹介するからぜひつくってみてほしい!

まずは1品目「アボカドとツナの良眠みそ汁」

▼材料(2人分)
冷凍アボカド・・・70g
ツナ・・・1/2缶
木綿豆腐・・・1/2丁
しめじ・・・1/4株
水・・・400ml
和風顆粒だし・・・小さじ2/3
味噌・・・大さじ1

▼作り方
1. 豆腐はさいの目に切り、しめじは根元を切って大きめにほぐす。
2. 鍋に水、和風顆粒だしを入れて火にかける。
3. 煮立ったら、①と缶汁を切ったツナを入れ中火で1分ほど煮る。
4. 冷凍アボカドを加えてひと煮立ちしたら、味噌を溶き入れ器に盛る。

2品目「あさりとほうれん草の豆乳良眠みそ汁」

▼材料(2人分)
あさり・・・150g
冷凍ほうれん草・・・100g
水・・・200ml
酒・・・小さじ1
和風顆粒だし・・・小さじ2/3
味噌・・・大さじ1
豆乳・・・200ml

▼作り方
1.あさりは砂抜きして、水洗いする。
2.鍋に①と水、酒、和風顆粒だしを入れて中火にかける。
3.あさりの口が開いてきたらアクを取り、味噌を溶き入れる。
4.冷凍ほうれん草と豆乳を加え、煮立つ前に火を止め、器に盛る。
※豆乳は無調整でも調整でも作れます。

今回のレシピは、料理研究家の島本美由紀さんが考案。物価高騰が続く中だからこそ、年間通して価格が安定している大豆製品やきのこ類、冷凍カット野菜も取り入れ、コスパ抜群のレシピであることが特徴。

また、味がかんたんに決まる顆粒だしなども活用し、すべてのレシピが10分以内でできあがるという手軽さだ。

―――不眠症・生活習慣病対策にぴったりな「良眠みそ汁」。手軽に美味しくつくれるから、みんなも家庭で試して!