ことし国内では、プライバシーに関する法改正・施行をむかえ、世界に目をむけると、Googleが大きくかじを切る局面にさしかかっている。
国内ではことし4月、個人情報保護法改正が施行され、本人の権利保護強化、事業者の責務追加、法令違反のペナルティ強化などが図られる。
また、Google が提供するブラウザ Chrome は、サードパーティCookie を2023年半ばから後半までの3か月で段階的に廃止する。
Cookie は、WEBサーバ側からクライアントのブラウザへ渡るいわゆるデータ片で、この Cookie があることで、ユーザーが使うWebブラウザがログイン状態やショッピングカートの中身をキープできたりする。
そしてサードパーティーCookie は、WEBページに埋め込まれた広告枠などを第三者ドメインが発行する Cookie で、広告主はこのサードパーティーCooKie を頼りにして、ユーザーのWEBページ閲覧を追跡し、そのユーザーに興味があるターゲティング広告を表示できる。
プライバシー観点から問題化、広告収益半減の時代へ
おもにターゲティング広告表示のために使われるサードパーティCookie は、ユーザーの知らないところで行動履歴が追跡されてしまうため、プライバシーの観点から問題視されてきた。
このサードパーティーCookie を Google Chrome が終了させる(ブロックする)ことで、ターゲティング広告を展開する広告主や、効果測定を行うパブリッシャー(WEBサイト運営者など)にとっては大打撃に。
Google が発表しているデータでは、「サードパーティCookieが使えなくなることで、メディアの広告収益が半減する」ともいわれている。
Cookie/IDFAレスに対応したIDソリューションを
データ接続プラットフォーム・IDソリューションを世界規模で手がける LiveRamp の LiveRamp Japan 今井則幸 Head of Partnerships Japan は、「マーケティング手法だけではなく、ユーザーとの信頼ベースの関係構築を見直す必要がある」と語る。
「これまで、ある意味当たり前に使ってきたサードパーティーCookie やモバイル広告ID を使った、ユーザーの同意を得なくても使えてしまっていた手法が使えなくなったあとに、何をすべきで、何が出来るか?を考える必要があります」
「短期的なCookie/IDFA後の対応だけではなく、中長期なデータ主導のマーケティング戦略に何が必要かを整理していただきたいと思います。LiveRampは、Cookie/IDFAレスに対応したIDソリューションだけではなく、企業がもつファーストパーティーデータの最大有効活用をサポートするテクノロジーを提供しています」
注目集まる人ベースのID「LiveRamp ID」
デジタルマーケティングの世界で、こうした大きな局面をむかえているいま、LiveRamp が提供する人ベースのID「LiveRamp ID」への関心が集まっている。
LiveRamp ID は、ファーストパーティデータを活用し、認証にもとづき、安全に、人ベースのIDに変換。この LiveRamp ID は、デバイス・チャネルを問わずさまざまなタッチポイントでの接続を可能にし、「効果的なピープル・ベースドマーケティングを実行できる」という。
ポストCookie時代、LiveRamp ATS を導入するメリット
LiveRamp が展開する ATS(Authenticated Traffic Solution:認証トラフィックソリューション)は、ユーザーと広告主やパブリッシャーとの間に確立する、信頼性と透明性の高いファーストパーティ認証により、サードパーティCookieを使用せずに、スケーラブルなIDを確立してくれる。
サードパーティCookie が使えなくなり、ユーザーを識別してデータ主導の収益を得ることができなくなるいま、この LiveRamp ATS を活用することで、ユーザーのトラフィックの認証(ログイン)によるIDが有効になり、すべてのブラウザー上でユーザーをターゲットできるようになる。
また、LiveRamp ATS を導入することで、WEBサイト・アプリ上のユーザーを認識し、それらをプライバシー保護された人ベースのIDと照合。サイト訪問者の同意を得た認証によるIDにより、ファーストパーティのオーディエンス作成が可能になり、収益化につながるという。
◆LiveRamp
https://liveramp.co.jp/