「遊ぶ人と作る人が集まる巨大なコミュニティ『Roblox』とは?」加藤CDOが来日して語った、1億3200万人の心を掴む理由

前年比を大きく上回り、躍進し続けるオンラインプラットフォーム――― Roblox(ロブロックス)。

最新のデータによると、1日あたりの平均アクティブユーザー数(DAU)は世界で1億3,200万人(前年同期比35%増)に達し、売上高は14億ドル(同39%増)と、驚異的な成長を遂げている。

https://www.roblox.com/ja

この世界的プラットフォームのデザイン部門トップであり、チーフデザインオフィサー(CDO)を務める加藤匡嗣氏が来日。

東京で開催されたラウンドテーブルにて、自身が手掛けるプロダクトの「いま」と、日本市場における急成長の背景を語ってくれた。

ロブロックスとは何か

加藤CDOがまず説明してくれたのは、ロブロックスは単なるゲーム会社ではなく、ゲームなどの体験を「作る側(クリエイター)」と「遊ぶ(ユーザー)」を繋ぐプラットフォームであるということだ。

ロブロックスは UGC プラットフォームであり、世界中のクリエイターが制作したゲームやアバターなどをプレイヤーとして楽しむこともできるし、また作り手になることもできる。

1日あたりの平均アクティブユーザー数(DAU)は1億3,200万人、総利用時間は310億時間に達している。

加藤氏は「ユーザーは受け身でゲームをするのではなく、能動的に様々なコンテンツを渡り歩き、平均滞在時間は2.6〜2.7時間と非常に高い」と語る。

また、ゲームだけでなく、コミュニケーション、アバターの着せ替え、有名アーティストのバーチャルコンサート、リアルな商品の販売など、多様な「体験」の場を提供している点が特徴だ。

UGCが変えるゲームとIPビジネスのあり方

加藤氏は、日本の豊かなIP(知的財産)を保護・活用するための「ライセンスマネージャー」という仕組みを導入していると説明している。

この機能により、講談社をはじめ、サンリオ、バンダイなどのIPホルダーが、プラットフォーム上で無断使用されたIPをスキャンして取り下げたり、逆に公式コラボレーションとして公認して収益化したりする機会を提供している。

また、加藤氏自身も日本のファミコン世代として育った背景に触れ、「40代〜50代のゲーム世代も含め、日本にはまだまだ大きなポテンシャルがある」と語っている。

ロブロックスの原点〜「作って学ぶ」がもたらす教育〜

ロブロックスの根底には「教育」への強い思いがベースにあると加藤氏は語る。

創業者の2人が開発していた「車を衝突させるデジタル物理実験ツール」で人々が自発的に遊ぶ様子を見たことが、ロブロックス誕生の着想になった。

「トップ1,000名のクリエイターの平均収益は130万ドル(約2億円)」に上り、子どもの頃にゲームをしていて、そこから作り始め、ビジネスとして世界展開を成功させている若い世代が存在する。

また、AIツールの導入により、今後はプログラミングの知識がなくてもテキストで指示するだけでゲームを構築できるようになり、今後はより多くの人が遊ぶだけではなく、ゲームを制作する楽しみも経験できるようになっていくと述べている。

さらに、ロブロックスを通じたクリエイティブな経験が、進学や就職の際にポートフォリオとして活用される事例も出てきているとのことだ。

プロとして成長するクリエイターを続々輩出

ラウンドテーブルでは、日本からプロとして世界で活躍するクリエイターの事例も加藤氏から紹介された。

例えば、独学でプログラミングを学び、世界的ヒットとなったホラーゲーム『PETAPETA』を制作したInu氏の事例である。

加藤氏は「ロブロックスの自動翻訳機能を活用することで、ユーザーの80〜90%が海外からのアクセスになっている」と語り、言語の壁を越えて日本のクリエイターが世界へ羽ばたける環境があることを強調した。

また、ブランドコラボレーションを重視し、世界に向けてゲームを制作する株式会社mozeのような企業も登場している。

顔認証など100以上の新施策が描く“真に安全な遊び場”とは

加藤氏は「安全性に関してこれほど真剣に話し合う企業は他にない」と話し、経営層が毎週多くの時間を安全性の議論に費やし、去年1年だけでも多くの新しい施策を導入したと語る。

具体的には、チャットでの画像や動画、個人情報の送信をシステム上で制限し、AIモデレーションで不適切な書き込みや表現を事前にスキャンしている。

また、顔認証による年齢確認を導入し、顔写真データを即時消去した上で、近い年齢層同士でのみコミュニケーションができるように設定している。

さらに加藤氏は、「Roblox Kids」や「Roblox Select」といった年齢に応じた厳格なアクセス制限や、親が利用時間を管理できるペアレンタルコントロールの導入が、親子間のコミュニケーションのきっかけにもなっていると語った。

成長を続ける日本人インフルエンサーのネットワークも支援

また、クリエイターや企業がダッシュボードを通じてユーザーのアクセスデータを把握し、ターゲット層に向けたアイテム制作やプロモーションを行うことができる環境が整っており、ゲームクリエイターにとっても、活用しやすい仕組みが提供されているプラットフォームであるそうだ。

日本のゲームエコシステムの成長を加速

加藤氏によれば、DAUはグローバルで前年同期比35%増であるが、「アジアは57%増、日本に至っては75%増と驚異的な増加を見せている」とのことである。

日本企業との成功事例として、タカラトミーの「BEYBLADE X」体験が挙げられ、「1.5億回以上プレイされ、98%が東南アジアなど海外からのアクセスであり、リアルな商品の売上向上にも直結した」と加藤氏は語る。

また、カルビーの「じゃがりこ かくれんぼ」のような事例も、世界的なブランド認知向上やアルファ世代とのエンゲージメントに大きく貢献しており、日本企業の海外展開やゲームエコシステムの成長をロブロックスが強力に後押ししていることが伺える。