
神戸に本拠を置く臨床検査機器・試薬メーカーであるシスメックス株式会社の創業者 故中谷太郎が1984年「中谷電子計測技術振興財団」を設立したのがルーツの中谷財団は、次世代理系人材育成プログラム助成を11月20日まで 科学教育振興助成を11月30日まで募集している。
次世代理系人材育成プログラム助成 全国の国公私立大学・高等専門学校から募集

公益財団法人 中谷財団は、将来を担う子どもたちの論理的思考力を養い、創造性を育み成長させることが、科学技術の発展はもとより我が国の発展に寄与するものと考え、小学校・中学校・高等学校における科学教育の振興に資する取組に対して助成中。
2023年度から、理数系に優れた資質を持つ中学生を発掘し、一人ひとりの多様な興味関心を汲み取って伸ばし、将来科学技術分野で活躍する人材を育てる体系的なプログラムに対する助成をスタート。
中谷財団 次世代理系人材育成プログラム助成は、大学や高等専門学校が企画する、科学技術への感心が高い中学生の多様な興味関心を汲み取って伸ばす体系的なプログラムに対して助成している。
今年度は、11月20日まで募集中。詳細は公式サイトへ↓↓↓
https://www.nakatani-foundation.jp/business/grant_science_edu/next_generation_science/
科学教育振興助成 小中高の科学教育振興に助成

中谷財団 科学教育振興助成は、子どもたちの論理的思考力を養い、創造性を育むことを目的に、小学校・中学校・高等学校における科学教育の振興に資する取り組みに対して助成。
今年度は「個別校助成」「複数校連携助成」「教員支援助成」を11月30日まで募集している↓↓↓
https://www.nakatani-foundation.jp/business/grant_science_edu/
―――そんな中谷財団は、こうした科学教育振興助成対象校の科学教育に意欲的に取り組む先生たちが注目するトークセッションを東京ミッドタウン八重洲カンファレンスで開催し、塩見春彦 千葉大学次世代in Vivo研究探索センター 特任教授、巳波弘佳 関西学院大学副学長・情報化推進機構 機構長、細越裕子 大阪公立大学大学院 理学系研究科物理科学専攻 教授、川越至桜 東京大学生産技術研究所 次世代育成オフィス 准教授らが登壇し、理系人材育成に直面する課題と解決に向けたヒントを共有した。
スーパースターではなく普通に暮らしている理系人材にフォーカスを

今回のトークセッションで印象的だったコメントを、まとめてみた。
「たとえば小学生や中学生までは科学や技術分野に興味がある理系志向の人たちが多いのに、大学へと向かうと、文系へと移る人が多くなる。これは同調圧力や偏見がいまも大きく影響している。こうしたバイアスなどを排除していくことが必要」
「理系に進まない理由はおもに2つある。ひとつは進路指導。『数学の点数悪いから、文系に変更しなさい、文転すればあの大学は行けます』と指導する。ふたつめは、男子ばかりがいるところが理系という、いまだにある同調圧力。この思い込みが理系人材獲得を遮っている」
「属性・性別関係なく、『理系に進んでいいんだよ』とという、多様な分野を自由に選べるという意識・環境を、全員でつくっていくことが大事」
「STEAM教育(科学 Science 技術 Technology 工学 Engineering 芸術 Art 数学 Mathematics)の「A」には、リベラルアーツも含まれている。理系だけではなく、科学と社会とのつながりを意識するような幅広い分野であることをもっと醸成していくことが大事」
「理系人材をさらに育てていくなかで、理系分野で成果を上げたスーパースターだけを子どもたちに紹介するのは危険。いつも普通に暮らしている理系人材にフォーカスをあてて、その多彩なロールモデルを子どもたちに紹介していくことも必要」
「誰もが参画できる社会になっていくことが大事。属性・性別に関係なく、自由に選べる社会になっていくことも大事。多様な人がいることを認めて、きちんと認めて物事に取り組んでいくことがジェンダーレスにつながる」
◆中谷財団
https://www.nakatani-foundation.jp/
