0.00002%の奇蹟をギフトに―――。
東京から南へ1000km、沖縄や台湾とほぼ同じ経度の位置にある南国の島―――東京・小笠原諸島。
ここ小笠原諸島で、世界のカカオ豆総生産量の0.00002%という超希少な国産カカオの栽培に取り組む平塚製菓と農家の挑戦を、「キットカット」を通じて広め、カカオに対する好奇心を刺激する日本独自の取り組みが始まった。
それが「キットカット ミニ 東京カカオ」
キットカットで知られるネスレ日本は、東京・小笠原諸島産カカオ豆からつくられた希少チョコレートによる「キットカット ミニ 東京カカオ」を、11月20日から、お土産ショップやネスレ通販オンラインショップなどで販売開始。
この「キットカット ミニ 東京カカオ」は、世界のカカオ豆総生産量の0.00002%の東京・小笠原諸島産カカオ豆を使用しているため、希少なチョコレートを体験する喜びを味わえる。
また、一般的な外国産カカオ豆の調達~船便での輸送~加工・製品化のサイクルと異なり、今年収穫されたばかりの「とれたてカカオ」の豆からつくることから、薫り高く、華やかな味わいも特長。
その初日に発表会を開き、ネスレ日本 オリヴィエ ジャクー常務執行役員 コンフェクショナリー事業本部長、平塚製菓 平塚正幸 代表取締役らが登壇し、この商品に込めた想いなどを伝えた。
カカオへのロマンと好奇心を刺激
ネスレ日本は、国内売上No.1のチョコレートブランド「キットカット」で、長きにわたり、受験生などがんばる人々を応援してきた。
その結果、受験シーズンだけでなく、いまでは年間を通じたさまざまなシーンで、大切な人に応援や感謝の気持ちを伝えるコミュニケーションツールとして親しまれている。
今回、東京・小笠原諸島で国産カカオの栽培に取り組む平塚製菓や農家の人たちの挑戦を知ってもらうきっかけとして、その希少なカカオ豆からつくられたチョコレートを使用した「キットカット ミニ 東京カカオ」を開発・販売することに。
この「キットカット ミニ 東京カカオ」に取り組む背景には、日本人にとってチョコレートは身近な存在であっても、原材料であるカカオ(豆)や製造方法に興味を持つ機会が少ないという現実がある。
そこで、希少な国産カカオを使用した「キットカット ミニ 東京カカオ」を通じて、カカオに対するロマンと好奇心を刺激し、チョコレート全体に対する興味・関心を高める狙い。
平塚製菓 平塚正幸社長「チョコレート屋の夢」
「わたしが東京産カカオの栽培に至った背景は、『カカオという魅力的な果物を、自分の手で育ててみたい。東京で育ったカカオがどんな味のチョコレートになるのか味わってみたい』というシンプルで強い探求心から生まれました。
いわゆる『チョコレート屋のオヤジの夢』です。
今年も、ネスレさんから東京産カカオを使用した「キットカット」のタイアップのお話をいただきとても光栄に思います。
2010年から国内初の規模でもあるカカオ栽培を行ってきましたが、試行錯誤の連続でした。
しかし、小笠原の島の人達と自分たちの手で土造りから栽培、収穫、発酵と目の届く範囲で安心安全な栽培を行っています。
このサステナブルな活動を認めてくださり、タイアップしていただいたことで、より多くのお客様にこの活動と小笠原が認知されると思い、期待しています。
当社の「東京カカオ」はソリッドタイプのタブレットチョコレートのみの取り扱いですが、「キットカット」になりますと、また新たなテイストをお客様は楽しめるので、素晴らしいことだと思っています」(平塚製菓 平塚正幸社長)
―――東京産カカオの品種は、世界のカカオ豆生産量の80%~90%を占めるフォラステロ種。
当初、平塚製菓では、露地栽培をめざしていたが、風や台風(強風と塩害)の影響により断念し、多くの困難と費用をかけて風速50m以上でも耐えられる堅牢なビニールハウスを離島に建設し、栽培を開始。
ハウス内の気温は年間自然のままで、夏季の強い日差しを遮るために、天井に伸展自在な日除けも備えている。
東京産カカオは年に2回収穫でき、5月が最初に訪れるメインの収穫期で、11月が2回目に訪れるサブの収穫期。
収穫されたカカオポッドは船便で平塚製菓の草加工場に届けられ、すぐにポッドを割り、カカオ豆を取り出して発酵作業が始まり、その後、乾燥作業を行う。
苦みやカカオ感が強い品種で、発酵により独特な香りを発するようになり、その後チョコレートに加工されると、酸味のあるフルーティーなテイストを感じられるという。