トリドールホールディングスといえば、『食の感動で、この星を満たせ。』をスローガンに掲げ、丸亀製麺などを手がける飲食・小売大手企業。
このトリドールが、社会課題解決と利益追求の両軸が持続可能であることがビジネスで求められる時代に対応すべく、2022年から開催しているのが、「トリドール持続可能ビジネスコンテスト」。
今年で3回目となるトリドール持続可能ビジネスコンテストには、過去最多となる6大学より13チームの応募があり、そのなかから書類審査による予選を通過した駒澤大学、国際医療福祉大学、文教大学から、5チームをファイナリストに選出。
審査は、トリドール 栗田貴也 代表をはじめ、神原政敏 取締役 最高サプライチェーン責任者、杉山孝史 取締役副社長 最高執行責任者、南雲克明 執行役員 最高マーケティング責任者、丸亀製麺 山口寛 代表取締役社長らが務め、企画力(独自性)、収益性、実現可能性、同社理念への親和性、社会価値/ブランディング プレゼン力を総合的に評価し、ビジネス化へとつなげていく。
学生たちは、同社の ESG マテリアリティから、解決したいテーマを選定し、収益性を維持しながら実行可能な企画を考案・プレゼンし、ソーシャルビジネスの課題解決力が身に着けられる。
またトリドールはこのコンテストで斬新なアイデアを得て、入賞した企画を実際に学生と共同で具現化へとすすめていく。
最優秀賞は文教大学「視覚と聴覚に新たな感動体験を」
今回の第3回トリドール持続可能ビジネスコンテストでは、次の3大学5チームが選出され、トリドール幹部陣を前に、最終プレゼンに挑戦。
◆国際医療福祉大学 『PHR技術を活用し、健康経営を実現!顧客に新たな食体験と健康増進を提供』
◆駒澤大学 中村ゼミA班 『若年層の人材育成に取り組むことでマテリアリティ解決!中学生の職場体験』
◆駒澤大学 中村ゼミB班 『食で地域貢献し販売の定着化を図る!地域活性化×シェイクうどん』
◆文教大学 田中ゼミA班 『トリドールグループの食品ロスに注目!持続可能な社会に向け余剰資源をエシカルジンに』
◆文教大学 田中ゼミB班 『視覚と聴覚に新たな感動体験を!新システムの導入でさらなる顧客体験価値の向上へ』
―――そして、この3大学5チームのビジネスプランのなかから、最優秀賞に選ばれたのは、文教大学 田中ゼミB班『視覚と聴覚に新たな感動体験を!新システムの導入でさらなる顧客体験価値の向上へ』に。
このビジネスプランは、丸亀製麺での接客で、透明ディスプレイに文字を表示する機器を活用し、ユニバーサルコミュニケーションを実現するシステムを提案。
聴覚障がい者の接客支援と雇用支援をはじめ、高齢者、外国人へと活用領域を拡げる可能性をプレゼン。リーダーの東咲希さんは、こう振り返った。
「最優秀賞を受賞し、トリドールの方々の心に響き、飲食店業界において今後、さらに全ての人に優しい環境になる一歩につながったことをたいへんうれしく思います。
今回の提案は、わたしのような聴覚障がい者を持っている方々への不安を取り除きたい、お互いが笑顔になれるコミュニケーションはどうやったら実現できるのかを軸に考えていきました。
また、聴覚障がい者に限らず高齢者、外国人とコミュニケーションをとるためのツールとして提供できるのではないかと考えました。
田中先生とチームメンバーとともに、市場調査やプレゼン作成を行い、お互い切磋琢磨した努力が今回の結果に表れたと感じています。
わたしが立案した内容に一生懸命調べて理解しようと努力し、ついてきてくれたチームメンバーには感謝しかないです。
また、多くの人の支えがありこのプレゼンができたことをたいへんうれしく思っております。ありがとうございました」
栗田貴也 代表「たくさんの資産をいただきました」
今回のコンテストを審査したひとり、トリドールホールディングス 栗田貴也 代表取締役社長 CEO は、最後にこう総評した。
「今回の第3回トリドール持続可能ビジネスコンテストでは、学生のみなさんがトリドールの理念やミッション、ビジョン、スローガン、取り組みをを実によく調べて、ビジネスプランをつくってくれました。
自分がみんなのような学生時代に、これほどすばらしいプレゼンができたか、企画が考え出せたかと思うと反省まで感じる。
若い人たちのあらゆる視点から出てくるアイデアに、それぞれに気づきがあって、たくさんの資産をいただきました。
ひとつひとつ、意義深い提案があったので、あらためて社内で検討しながら、実装・展開をめざしていきます」(栗田貴也 代表)
―――「『食の感動で、この星を満たせ。』をスローガンに掲げ、顧客・従業員、すべてのステークホルダーに寄り添い、コミュニケーションと協働を通じて新しい価値と感動を生み出し続け、持続可能な社会の実現をめざす」というトリドールホールディングス。
同社は今後もこうしたコンテストなどを通じ、学生の斬新なアイデアや価値観など多様性を受け入れ、互いを理解・尊重しながら個性を発揮し、社会課題解決をめざしていくという。