企業ブランド力向上などを手がけるトゥモローゲートは、不妊治療中の社員に対し、当日でも申請なく通院ができる制度「妊活タイム」を導入した。
この妊活タイムを導入したきっかけは、「ある社員のひとこと」だったという。
「当社には、社員からの提案を歓迎する社内福利厚生案公募制度があります。今回の「妊活タイム」はこの制度を活かし、社員の提案で採用されたものです」
「不妊治療をしていると、突発的に朝から病院に行き対応を求められることがある。そんなときに会社に申請することなく勤務時間中に通院ができるとうれしい……というストレートな悩みを提示してくれたものでした」(トゥモローゲート)
妊活のイメージを変えるきっかけに
トゥモローゲート西崎康平 代表取締役(画像)は、今回の妊活タイムを導入した経緯について、こう伝える。
「少子高齢化をはじめとする社会問題の解決に、微力ながら貢献できるかもしれないと感じたこと。そして『仲間を愛し、家族を大切にしよう』という会社のバリューにマッチすることもあり導入を即決しました」
「公の場では話しづらい妊活のイメージを変えるきっかけになりえる、すばらしい提案だと思いました。またユーモアがあって意味が分かりやすいネーミングも同じくすばらしいと思いました」
「仕事が忙しいからという理由で制限しなくていいようにバックアップすることで、仕事もプライベートも充実させられる職場環境をつくっていきたいです。また、結果として社会問題を解決する小さな一歩になることを期待しています」(トゥモローゲート西崎康平 代表取締役)
―――日本では、5.5組に1組の夫婦が不妊の検査や治療を受けたことがあるという。
妊活(妊娠活動)は、経済的にも精神的にも負担が大きく、上司や同僚に相談できないまま仕事との両立に悩む人が依然として多いのも現実。
同社が今回導入した妊活タイムは、仕事か妊活どちらかを犠牲にするのではなく、自由に選ぶことができ、会社として妊活を支援できる環境でありたいという思いが込められているという。
同社はこのほか、中期の経営ビジョン「2025年までに大阪で一番オモシロイ会社をつくる」にもとづいたオモシロイ福利厚生を企画。
コロナ禍で失われてしまった卒業旅行の機会を社会人になってから取得できる制度「卒業旅行休暇」や、Twitterの投稿が1万リツイート以上を記録した場合、特別休暇を1日取得できる「バズ休」など、さまざまな制度を打ち出しているという。