アメリカ テキサス州に本拠地を構え、通信ソフトウェア、IP、オプティカルネットワーキングソリューションなど、ネットワーク最適化支援を世界中で展開する Ribbon Communications (Nasdaq:RBBN)の Mark Cobbold VP PM と、同システム技術部 桑原良和 SM は、アメリカ大統領選でのフェイク電話など、世界的にリスクが急拡大している自動音声通話の現状と、電話に対する信頼を回復するソリューション「Ribbon Call Trust」(リボンコールトラスト)について教えてくれた。
個人情報取得や詐欺電話に悪用されるロボコール
ロボコールとは、自動音声通話とも呼ばれ、人ではなく AIなどの機械によってかけられる電話のこと。
ロボコールは通常、人に代わって電話をかける構造で、業務効率化や人手不足の解消などに使われ、個人情報の取得や詐欺の電話などに悪用されてしまうケースもある。
2024年春、生成AI技術を用いてバイデン大統領の声を模倣したロボコールが、11月5日の大統領選挙に先立ち、ニューハンプシャー州の予備選挙への参加を有権者に思いとどまらせるために使用されたという事実もある。
世界的な社会問題になっているロボコール、日本でも身に覚えのない未納料金を請求されたなど、詐欺の手口として悪用されたロボコールトラブルが急激している。
ロボコール「9割が知らない」
Ribbon Communications の調査では、9割が自動音声電話について知らないにも関わらず、85%が世界中で詐欺行為に利用されていることを認識していた。
また、回答者の5人に1人が、個人情報収集を目的とした不審な電話や詐欺の疑いのある電話を受けたことがあると回答し、不審な自動音声電話を受けた人の90%以上が、電話に出ることに不快感を覚えていることから、不審な自動音声電話が日常生活にまで影響を及ぼしていることがわかった。
こうした事実から、今後も悪用されたロボコールによる被害が増大する可能性は大きく、企業や通信事業者は、対策ツールを導入する対策が求められている。
アメリカは通話認証を義務付け
「近年、世界中でロボコールは増加傾向にあり、すべてのロボコールに悪意があるとは限りませんが、知らない番号からの電話には出ない、非通知の着信は無視する、迷惑電話が多いのでそもそも電話に出たくない、など電話に対する信頼が失われつつあります」と語るのは、リボン・コミュニケーションズ システム技術部 桑原良和 シニアマネージャー。
「現在、日本国内では、日常的にロボコールがかかってくるような環境ではないため、『多くの人がその存在自体を知らない』という今回のアンケート結果は自然なことなのかもしれません。
ただし、42%の人がロボコール(自動音声通話)がかかってきた経験「あり」と回答したように、日本国内においてもロボコールが存在し、今後なんらかの理由で増加する可能性もあります。
ロボコールが大きな社会問題となっている米国では、すでに FCC と議会により通話認証(STIR/SHAKEN)が義務付けられています」(桑原 SM)
Ribbon Call Trust で安心できる通話環境を
「こうした動きのなか、リボン・コミュニケーションズは、電話の発信者の身元を保証するソリューション(Identity Assurance Solution)として「Ribbon Call Trust」を提供しています。
発信者の Reputation(評判)スコアの提供、ロボコール・詐欺電話の検知、STIR/SHAKENサービス(Caller ID認証・署名・検証)、ブロックリスト化、暗号化、CAC、ポリシルーティング、CVT(Call Validation Treatment)などの機能を提供し、安心して電話をすることができる環境づくりに貢献しています」(桑原 SM)
ロボコールを機械学習で評価
「Ribbon Call Trust は、電話の発信者の身元を保証するためのソリューション(Identity Assurance Solution)です。
過度なロボコールや詐欺電話を未然に防ぐため、発信者の意図と評判を把握することが重要です。
発信者を把握できる Ribbon Call Trust は、米国やカナダを中心に STIR/SHAKEN が義務化されているフランスなどを含めた通信事業者で幅広く利用されています。
外部の詐欺情報データベース、通信事業者独自のデータベース、アナリティクスによる統計情報など、複数のデータソースから 機械学習(ML:Machine Learning)を活用し、総合的にロボコールの評価スコア(Reputation Score)をリアルタイムに提供することで、通信事業者がロボコールや詐欺の可能性が高いコールと判断した場合は、アナウンス接続、CAPTCHA認証起動、呼切断などの適切な CVT(通話者検証処理:Call Validation Treatment)を実現してくれます」(Mark Cobbold VP PM)