山陽電鉄 オプテージ 山電情報センターが遠隔監視とAI画像解析で踏切異常検知 実証実験、2021年春の本格運用めざす

山陽電気鉄道・オプテージ・山電情報センターの3社は、監視カメラによる遠隔監視、AI画像解析技術を使った踏切遮断中の異常検知を、実フィールドで実証実験し始めた。

2021年春の本格運用の開始をめざす。

今回の実証実験では、オプテージのAI技術や通信技術、Web技術を活用し、山陽電車の踏切の人往来映像をリアルタイムに解析。

危険を察知したさいは、エッジデバイスから信号を送出し、特殊信号発光機(停止信号)を発光させることで、接近する列車の運転士への通知し、列車を安全に停止させることで、踏切内の人身事故を抑制させる。

また、並行して運転指令室に危険の通知を行う仕組みを検証する。

山陽電車は、実験フィールドの提供(実証実験箇所 踏切3か所)、本実証実験で構築する監視システムの有用性判定と実運用にむけた改善事項を提示。

オプテージは、IT基盤(クラウドカメラ、エッジデバイス、NW)の構築、提供。異常検知AIシステムの開発、提供を担う。山電情報センターはプロダクトを企画・推進する。

監視カメラ遠隔監視、AI画像解析技術を使った踏切遮断中の異常検知_そのポイント

◆AI画像解析による「人」の検知の実現

従来の障害検知システムでは検知できなかった、歩行者やベビーカー、車いすといった「人」を検知できるようAIを活用した画像解析による実地検証を行う。

また、画像解析で課題となる雨天時や夜間についても精度が保てるかなど、実フィールド環境での有効性を検証。検証にあたっては、同分野での実績を保有するK4Digital の協力のもと実施する。

◆特殊信号発光機(停止信号)と連動した運転士へのアラート発報

異常検知したさいは、接近する列車の運転士に即時発報を行えるよう、現場設備(特殊信号発光機など)との連動性について検証。

処理方式については、検知精度と処理時間の関係を考慮し、よりリアルタイムでの処理を実現するエッジデバイスによる画像解析技術を用いて検証する。

◆セキュアなネットワークで運転指令室へ連携

上記と並行して、運転指令室でのアラート認知、状況確認ができる仕組みも開発し検証。

現場のエッジデバイスから運転指令室までのネットワークにはオプテージの IP-VPN を採用し、セキュアなネットワーク環境を構築するとともに、低遅延で情報収集ができるシステムをめざす。