

「2001年4月に株式会社コロナが発売して以来、さまざまなメーカーが参入したヒートポンプ給湯機(=エコキュート)が、発売から24年(2001年4月~2025年3月)で、累計販売数 1000万台を突破しました」
―――そう語るのは、日本冷凍空調工業会 澤井克行 会長(ダイキン工業 常務執行役員)。
家庭用自然冷媒ヒートポンプ給湯機「エコキュート」の普及拡大に取り組む 日本冷凍空調工業会、ヒートポンプ・蓄熱センター(小宮山宏 理事長)、電気事業連合会(林欣吾 会長(中部電力社長))の 3団体は、3月末現在のエコキュートの国内累計出荷台数(日冷工 統計値)が 1000万台を突破したことを記念し、5月15日 品川プリンスホテルで記念式典を開催。
当日は、資源エネルギー庁 村瀬佳史 長官、国土交通省 宿本尚吾 大臣官房審議官、環境省 土居健太郎 地球環境局長などが来賓講演したほか、電力中央研究所 齋川路之 名誉シニアアドバイザー、 早稲田大学カーボンニュートラル社会研究教育センター 林泰弘 所長らの基調講演も行われた。
投入した電気エネルギーの3倍以上の熱エネルギー

エコキュートは、ヒートポンプの原理を利用した給湯システム。
空気の熱を熱交換器でCO2冷媒に集め、その冷媒を圧縮機でさらに高温にして、お湯を沸かす仕組み。
空気の熱を上手に活用するため、投入した電気エネルギーの3倍以上の熱エネルギーを得ることができ、これにより高い省エネルギー性と従来型給湯器に比べCO2排出量の削減も実現させる。
澤井会長「ヒートポンプによる大気熱の利用 × カーボンフリー電力の活用 = 給湯機の脱炭素化を実現します」


「現在、日本冷凍空調工業会には、株式会社コロナ、ダイキン工業株式会社、株式会社長府製作所、パナソニック株式会社 空質空調社、日立グローバルライフソリューションズ株式会社、三菱電機株式会社 の 6社が加盟しており、それぞれエコキュートの製造や販売を行っています。
エコキュートは大気中の熱を利用する「ヒートポンプ技術」により電気で効率良くお湯を沸かす給湯機として、省エネで環境にやさしいヒートポンプ給湯機です。
また、太陽光発電設備等再生可能エネルギー電源で発電した電力にてお湯を沸かすことで、「ヒートポンプによる大気熱の利用」×「カーボンフリー電力の活用」=「給湯機の脱炭素化」を実現します」(日本冷凍空調工業会 澤井克行 会長)
エコキュート国内累計出荷台数 1000万台突破 特設サイトも OPEN

日本冷凍空調工業会は、エコキュート国内累計出荷台数 1000万台突破を記念し、特設サイトもオープン↓↓↓
https://www.jraia.or.jp/product/heatpump/10million/
「日本冷凍空調工業会は、2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、またエネルギーの自給率向上に向けた対策の切り札として、エコキュートの一層の普及拡大を進めてまいります。
また、このたびのエコキュート1,000万台突破を機にさまざまなコンテンツを企画し、順次掲載をしていきますので、ぜひお楽しみに!」(日本冷凍空調工業会 澤井克行 会長)
太陽光発電の余剰電力をエコキュートに賢くためる

また、日本冷凍空調工業会 澤井克行 会長(ダイキン工業 常務執行役員)、ヒートポンプ・蓄熱センター 小宮山宏 理事長、電気事業連合会 林欣吾 会長(中部電力社長)は、エコキュートの優位性について、こうも教えてくれた。
「エコキュートは、太陽光発電の余剰電力を、エコキュートに畜エネルギーすることで、家計にも優しくなります。
また、エコキュートを活用したデマンド・レスポンス(DR)の検討がすすんでいます。
デマンド・レスポンスとは、消費者が賢く電力使用量を制御することで、電力需給バランスを調整する、日本全体にも家庭・企業にもメリットがある仕組みです。
たとえば、春や秋の昼間には、再エネで発電する電力が余りやすいことから、エコキュートの沸き上げ時間を夜間から昼間に移すことで余剰電力を有効活用できます。
製造メーカーとしてカーボンニュートラルの達成に向け、さらなるエコキュート普及拡大を進めていきたいと考えています」(澤井会長)
小宮山会長「カーボンニュートラル実現、持続可能社会実現に向け重要な役割を担う」

「ヒートポンプ技術は、エネルギー自給率の低い日本において将来的にも必要不可欠な技術です。
このたび、エコキュートの累計出荷台数が 1,000万台を達成したことは大きな意味を持つものです。
いっぽうで、ヒートポンプの潜在的市場を考えれば 1,000万台はあくまで通過点であり、さらなる普及拡大が図られることが必要です。
カーボンニュートラルの実現に向け重要な役割を担うヒートポンプが、これからも地球環境を保全し、持続可能な社会を実現していくうえで大きな役割を担うもの
と考えています」(ヒートポンプ・蓄熱センター理事長 小宮山宏)
林会長「化石燃料依存度を減らし、エネルギー自給率の向上に貢献」

「エコキュート累計出荷台数 1,000 万台突破に向け、ご尽力いただいた関係者に心から感謝を申し上げます。
これまでの取り組み等を通じて、現在のエネルギー政策にエコキュートの重要性が位置付けられたことは意義深いと考えています。
エコキュートは再エネ熱である大気熱を利用するため、化石燃料依存度を減らし、エネルギー自給率の向上に貢献します。
電気事業者としては、供給側の「電源の脱炭素化」とあわせて、需要側の最大限の「電化の促進」に積極的に取り組み、わが国の脱炭素化に貢献してまいります」(電気事業連合会 林欣吾 会長(中部電力社長))
―――ちなみに、「エコキュート」という名は、電力会社・給湯機メーカーが自然冷媒CO2ヒートポンプ式給湯機の愛称として使用しているもので、関西電力の登録商標。
早稲田大学カーボンニュートラル社会研究教育センター 林泰弘 所長は基調講演で、「給湯や暖房に活用されるヒートポンプ技術は、大きな省エネ効果をもち、世界的に試乗が拡大していく見込み。欧州を中心に、世界でも日本メーカーが競争力を有している」と伝え、会場はその可能性に沸いた。
