アッヴィ アートプロジェクト PERSPECTIVES で免疫介在性炎症性疾患 患者が描いたアートに感動!「難病と闘いながらも前向きに力強く前進していく思いが伝わる」「同じ病で悩む人にもこれら作品は勇気や希望を与えてくれる」

アッヴィ アートプロジェクト PERSPECTIVES(パースペクティブズ)表彰式に行ってみて、免疫介在性炎症性疾患と闘う人たちの想い、それを克服しようとするパワー、アートでいまと未来を描くパッションに圧倒されて、感動して、みんなで応援したくなった―――。

バイオ医薬品企業 アッヴィ合同会社は、免疫介在性炎症性疾患をもつ患者を対象とした「第4回 アッヴィ アートプロジェクト『PERSPECTIVES(パースペクティブズ)』」の表彰式を8月30日、東京ミッドタウン八重洲で開催。

関節リウマチ、尋常性乾癬、クローン病、潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデスなど、免疫応答の調整不全により組織に炎症を生じる疾患の総称「免疫介在性炎症性疾患」は、進行性かつ身体機能に負担・制限がかかる疾患が含まれ、心身に大きな影響を及ぼすこともあると考えられ、いわゆる“難病”といわれる病もある。

「疾患と生きる。私の新たな可能性」をテーマに表現

このアッヴィ アートプロジェクト PERSPECTIVES(パースペクティブズ)は、患者が免疫介在性炎症性疾患と向き合いながらも、自身の PERSPECTIVES(視点、考え方、物のとらえ方という意味)でとらえた心とカラダ、症状の改善などから見出した日々のよろこび、希望や目標などを、自由に絵画、彫刻、立体造形、陶芸、写真、書道、手芸などのアート作品に表現することで、疾患や患者への理解につなげる取り組み。

第4回は、「疾患と生きる。私の新たな可能性」をテーマに、10歳の若年性特発性関節炎の患者から最高齢88歳のリウマチ患者まで、112点の応募のなかから、最優秀賞・優秀賞・審査員賞・佳作の10作品が選ばれた。

◆受賞者 年齢は応募時の年齢
最優秀賞:中島早希さん 11歳「Diversity」(福岡県)
優秀賞:岩本紗和さん 10歳「Colorful(からふる)」(茨城県)
審査員賞:松本彩子さん 46歳「足と光」(千葉県)
審査員賞:三尾希さん 28歳「sparkle(スパークル)」(千葉県)
審査員賞:山本和男 65歳「雪中花」(鳥取県)
佳作:らくださん 47歳「ちいさな しあわせ」(東京都)
佳作:榊原愛さん 37歳「skin」(愛知県)
佳作:多賀谷蠚裕さん 40歳「途絶えることの無い陰と陽」(埼玉県)
佳作:大西裕次さん 48歳「ハッピー ハッピー」(三重県)
佳作:水谷馨さん 36歳「ある春の日」(大阪府)

最優秀賞「Diversity」中島早希さん

このような賞をいただけて、とてもうれしいです。

いつも治療をしていただいている先生が、私が絵を描くことが好きだと知っていて、このプロジェクトを紹介してくださいました。

入院中に、描いた絵や、工作を、毎日楽しみにしてくださって、私も作るのが楽しかったです。

そんな優しい病院の皆さんのおかげで、今でも毎日絵を描いて楽しんだり、前からやりたかった合気道を習い始めたりして、元気に過ごしています。

将来は、お世話になった先生のようなやさしい小児科医になって子どもたちを助けたいです。

優秀賞「Colorful(からふる)」岩本紗和さん

私の作品を選んでいただきありがとうございます。

私は赤ちゃんの頃から病気で、たくさん歩いたり、走ったり、ジャンプしたりすることができませんでした。

去年は調子のいいときがあって、体育の授業で運動をすることができたときがありました。

走ったりはできなかったけど、友だちと一緒に運動できて楽しかったです。

この作品は、運動できる楽しさやうれしさを絵にしたものです。

絵の中の私は楽しくてジャンプをしています。絵の中の私のように動けるようになりたいです。

今は調子がずっと悪くて、歩けないし、えんぴつも箸も持てません。

学校もたくさん休んでしまっています。

学校に行ったときは、先生や友達にたくさん助けてもらっています。

とてもうれしいけど、申し訳ない気持ちもあります。

早く元気になって、たくさんお返しをしたいです。

審査員賞「足と光」松本彩子さん

この度は、素晴らしい賞を頂きましてありがとうございます。

私は、8 年前の出産と同時に突然全身に力が入らなくなりました。

診断は、約十万人に一人の病で、慢性炎症性脱髄性多発神経炎という難病でした。

医療関係の方々や家族など、たくさんの方々のおかげで現在は力も入り、普段は家族と楽しく暮らしております。

しかし足の痛みは日毎増し、割れたガラスの上を裸足で歩いている感覚で、更にその足を焚き火に焚べられている様な日常です。

今回の作品は、その「痛み」の現実をダイレクトに表現してみました。

決してネガティブな感情ではなく、事実をそのまま描いてみました。

私にとっての痛みは友だちであり、私自身です。

つまりは自画像のようなものになったと思います。

日ごろ、痛みを言葉にしないよう努めていますので、この度の出展で思いっきり「痛―――――い!」と叫ぶことができた気がします。

皆さん様々な病を抱えて生きていらっしゃると思います。

個々の不都合さを他人が計り知ることは難しいです。

私も難病になるまで目を向けられていませんでした。

今回の絵で「ああ、こんな人もいるんだな」 と思っていただければうれしいです。

叫ばせていただきまして、ありがとうございました!

足先の電球のように皆様に光が灯りますように。

審査員賞「sparkle(スパークル)」三尾希さん

この度はこのような賞をいただき、誠にありがとうございます。

私は 4 年前から「全身性エリテマトーデス(SLE)」を患っています。

通院時、袋いっぱいに渡される薬に辟易したり、副作用に悩まされたりもしますが、薬は私にとって心強い存在です。

この作品は、私が飲み終えた薬のシートを、輝く宝石に見立ててジュエリーにしたものです。

作品名の「sparkle(スパークル)」は「輝き」という意味のほかに、「生き生きとした」という表現にも使われます。

私にとっての薬のイメージを作品にしました。

私が今こうして生き生きと活動できているのは、医療の進歩と、理解し支えて下さる方々のおかげです。

この作品を通して、私と同じ服薬が欠かせない人たちに、薬についてポジティブに捉えていただけたらうれしいです。

審査員賞「雪中花」山本和男さん

若年性リウマチを発症したため、就学とその後の就労が大変でした。

症状の消えた時期もありましたが、大方の生活は痛みと共にありました。

我が家は朝が早い鮮魚店でしたが、自転車の荷台に乗せてもらい、毎日小学校の送り迎えをしてくれた母。

忙しい中、情報を得て鍼灸など、いろいろな治療法を求めて県外へも連れて行ってくれました。当時を振り返ると胸が締め付けられます。

友の会で今の主治医と出会い、寄り添いながら治療していただいています。

そして、周囲の人との関わりが、日々生活の支えになっています。

現在は、障がい者や障がい児の支援業務につかせていただいています。

周りからは、「自分の体をもっと大切にするように」と心配をかけています。

自らが原因で消耗し痛みで落ち込む日もありますが、おかげで回復してくれます。

今、免疫介在性炎症性疾患の患者を取り巻く環境は、薬と治療の進歩、そして医療スタッフの方々の優しい声掛けなど、とても明るい。

決してあきらめることなく希望を持ち続けること。

受賞の知らせをいただいた後の通院途中、五月の新緑と青空をみながら希望を持つことの大切さを思いました。

最後になりましたが、このプロジェクトに応募させていただいたことで、これまでの暮らしや心情をあらためて振り返ることができました。

応募を勧めてくださった主治医に感謝申し上げます。ありがとうございました。

佳作「skin」榊原愛さん

私には症状が悪化した数年前、仕事もできなくなり、家からも出られなくなり、夜眠ることも、朝起きることも恐怖でした。

一日中、自分のアパートの一室で 1 人で過ごさなければいけなくなりました。

その時に日々の時間を過ごすため、襲ってくるかゆみや痛みや恐怖や不安から、なんとか心を保つために始めたのが絵を描くことや編み物をすることでした。

仕事もできない、人とも会えない、もしこの状態がずっと続くとしたら、自分はどう生きたいのか?を問い続けた時間でした。

この経験があったから、今、以前とはちがう生き方をしていると思います。

そんな転機のきっかけを作品として表現できたことがうれしく思います。

同じように先の見えない恐怖や不安と向き合わざるを得ない今を生きている方々が、自分の中の光をみつけて今を生きられますように。

佳作「ハッピー ハッピー」(絵画)大西裕次さん

<画像は大西裕次さんの母親>

自分は 8 年位前に尋常性乾癬と診断を受けました。

最初は頭皮に「できもの」のようなものができて、次第に体のあちこちに斑点が出るようになり、それに伴い体のいたるところが痒くなりました。

しばらくすると足のかかとが痛くなり、のちに関節、特に右手の薬指が痛くなり大学病院にて治療を受けています。

関節炎により、天気の悪い時は、お箸も持てない時があります。自分の好きな絵筆も持てない時があります。

体が楽なときに、その時の気分を表現したのが今回の作品です。評価をいただいて心から嬉しく思います。ありがとうございました。

これから先も長く大学病院膠原病科にお世話になると思いますが、いたみが少しでも消えて、絵の題目と同じように、ハッピーな気分で暮らしていけたらなぁーと思っています。

いろんな病気を持っていますが自分に関わってくださる先生、看護師さん、友達、両親に感謝します。

これからも一日一日を大切に、少しでも笑顔でいられるよう治療に専念します。本当にありがとうございました。

「これらの作品は勇気や希望を与えてくれる」

審査員を代表し、美術家 佐久間あすか氏は「回を重ねるごとに募集作品が洗練されてきて、厳粛な場ではありますが、素晴らしい作品に出会えて、楽しみながら審査することができました」と伝え、こう総評した。

「今回の募集作品の特徴は、全体的に表現力がとても豊かな作品が多いことで、作品に優劣をつけるのが困難でした。良い意味で審査に時間がかかったのを記憶しております。アートを通して、難病と闘いながらも、前向きに力強く前進していく思いが私たちの心に強く伝わってきました。同じ病で悩む方々にも、これらの作品は勇気や希望を与えてくれると思います」

―――アッヴィは、このアートプロジェクト『PERSPECTIVES(パースペクティブズ)』を通じて、ひとりでも多くの人が患者の想いを理解し、支援できるよう、今後もサポートを続けていくという。

また、「第4回アッヴィ アートプロジェクト 『PERSPECTIVES』」の受賞作品を含む全応募作品は、アッヴィのホームページで公開中。
https://www.abbvie.co.jp/
https://www.da.abbvie.co.jp/onlinemuseum/2023/