長崎電気軌道のもと都電2000形がいたころ、ハトシと新幹線を想いながら

「私は元 東京都電 2018号車です」

そんなメッセージを左ほほにつけて走っていた長崎電気軌道700形701号車に会いに、浦上車庫へ。

やっと高架化工事が落ち着いて、いよいよ新幹線がやってくる長崎市を、路面電車といっしょに歩く―――。

そんな長崎の出張時間を思い返してくれたのが、先々週の『カミングアウトバラエティ!! 秘密のケンミンSHOW』(日本テレビ系列)で紹介されていた、長崎のあの名物。

長崎出張で毎晩毎晩、夜な夜なスナックを転々として、ビールで各店の味を試した味――――そう、ハトシ。

――――「ハトシ」は、「海老のすり身」などを「食パン」で挟み、油で揚げたものです。「ハトシ」が中国から長崎に伝わったのは、明治の頃と言われています。「ハトシ」は、長崎の料亭で卓袱(しっぽく)料理の一品となりました。その後、長崎の一般家庭料理になります。それぞれのご家庭での「ハトシ」は海老に限定せず、挽き肉、魚のすり身など色々な素材が使用されています――――

ホテルクオーレ 長崎駅前に泊まった夜、裏手の中町通りにあるバーで頼んだハトシが、とくに忘れられない。そのときのビジュアルが、これ↓↓↓

熱々!脳天直撃の二重奏

伊万里焼か三川内焼か波佐見焼かと想う皿に、格子状に並べられ、マヨネーズとケチャップの2色が添えられて出てきた。

このアッツアツのハトシが、寺門ジモンふうにいえば、「もう、脳天直撃!」。

この、衝撃的な出会い以来、毎月の長崎出張で欠かさず、ハトシめぐりを入れ込んだ。で、いつしか、このうまさを家族にも伝えたくなって、土産もののハトシと決めた。

たとえば、空港で売っている長崎一番「ハトシロール」。その場で揚げたてをザクッとやれるし、冷凍品を買って帰れる。

うちに帰ると、プレーン、えび、チーズの3種を「きょうはどれにする?」っていいながら、揚げる、揚げる、揚げる。

熱々のハトシと、キン冷えのビールで、拳もあがる、あがる、あがる。ううううううっめええええ!

でもやっぱり、長崎でザクッといくハトシは違う。東京にある長崎県アンテナショップで売ってるけど、やっぱりハトシは長崎で、だと思う。

いまは机上でそのすべてを想像しながら、がまん、がまん、がまん。

――― もと東京都電2000形の長崎電気軌道700形701号車は、車体にアスベストが含まれていたということで、ことし解体。さびしいけど、浦上車庫のすぐとなりを新幹線が駆けるシーンと、ハトシの油の匂いを想像して、今夕も宅飲みの準備でも。