鉄道車両洗浄機メーカーがつくる人間洗浄機、さらに洗浄能力を強化し小型化を実現

1947(昭和22)年、日本で最初に洗車機を設計・開発したメーカー 日本車輌洗滌機(東京都江戸川区)は、コロナ禍の緊急事態宣言が発令された2020年4月、鉄道用車両洗浄機などの開発・製造ノウハウを人体むけに注入し「人間洗浄機」をリリース。

その衝撃リリースから半年、さらに洗浄能力をアップさせ、小型化した最新モデルを開発・製造し、初詣・参拝客の来場が想定される愛宕神社(東京都港区愛宕)に納入した。

日本車輌洗滌機の「人間洗浄機」は、人体(衣類・靴)に付着したウィルス・細菌を、衣類を着たまま歩行することで洗浄してくれるウオッシュミスト装置。4月にリリースした初代モデルからフルモデルチェンジ。洗浄能力を大幅にアップさせ、コンパクト化も実現。

初代モデルの機械全長が4メートルだったのを、この新型機では最も小さいタイプで機械全長0.7メートルと小型化したことで、設置スペースの課題解決にもつなげた。

また、噴射される液剤粒子径は、旧型機が140マイクロメートルだったのを、新型機では最小3マイクロメートルに。細菌とほぼ同等の大きさで噴射できるようにした。

さらに噴射液剤量は、旧機が80ccに対し、新型機は10ccと大幅に削減。噴射粒子が小さくなったことで、衣類に付着したさいの濡れ感がなく、わずかな量の洗浄剤で衣類に噴霧できるように進化したという。

日本車輌洗滌機は、1962(昭和37)年に「NHK発祥の地」といわれる愛宕山(東京都港区愛宕)に、日本で初めての乗用車用洗車機を納入。「愛宕神社から、ウオッシュミスト設置の要請があり、自社の歴史の出発地から再度、声をかけていただいた縁に感謝し、要請を快諾した」と同社は伝えている。