寝具業界初エアウィーヴが生分解性素材マットレスを開発、土へ還す循環型経済で廃棄物ゼロめざす＿まずはJR九州豪華列車ななつ星に導入

「寝具メーカーとして、寝具業界最大の課題でもある廃棄処理問題解決にむけて、何ができるか。

いま東京都内では粗大ごみが1日280トンも排出されている。

その粗大ごみのなかでも、自動車や家電はリサイクル関連規制で整備されているなか、ベッドやマットレスといった寝具にはリサイクル規制がないうえに、構造も複雑。リサイクル率が2％以下というのが実情だ」

―――そう語るのは、浅田真央も愛用する寝具メーカーairweave（エアウィーヴ）の高岡本州代表取締役会長兼社長。

業界初、生分解性素材採用マットレスを開発

エアウィーヴはこうした寝具業界最大の課題といえる廃棄処理問題に、ひとつの解を示した。

それが、ベッドマットレスに生分解性素材を採用するという手だ。

「今回の生分解性素材採用エアウィーヴマットレスパッドの開発は、10年に1回という長いサイクルで交換する寝具の廃棄物ゼロをめざす大きな一歩だ」と高岡本州代表取締役会長兼社長。

エアウィーヴは、こうした寝具廃棄処理問題の解決をめざすべく、寝具業界初の生分解性素材を採用したベッドマットレスを開発。

SDGsゴール12・14・15にむけて、企業の社会的責任を果たす狙いだ。

エアウィーヴはこれまで、使用後の寝具を洗浄・消毒し、施設などへ寄付・寄贈するプロダクトリサイクルを実現させてきた。

2020東京オリンピックのときは、選手村に導入されたエアウィーヴベッド1800床をリサイクルし、マットレスパッドなどは洗浄・リペアを経て、JR東海やJR九州の宿舎などに再び使われている。

また2022年からは、エアウィーヴと日本航空が協業し、JAL国際線ビジネスクラス「JAL SKY SUITE」に使われているエアウィーヴマットレスパッド8200枚をすべて“水平リサイクル”させ、再びJAL国際線ビジネスクラス「JAL SKY SUITE」に“進化版エアウィーヴ”を再装備させた。

https://twitter.com/tetsudo546/status/1633600858574458880

エアウィーヴが生分解性素材を採用したベットマットレスを開発し、土に還して再び資源として回す試みは、廃棄物ゼロをめざしたサーキュラーエコノミーの一手。

「廃棄物と汚染を生み出さないデザイン（設計）を行う」「製品と原料を使い続ける」「自然システムを再生する」というサーキュラーエコノミー3原則に則った取り組みといえる。

生分解性素材は、自然界に存在する微生物の働きで、水と二酸化炭素に分解され、自然に還ることから、サステナブルな寝具でサーキュラーエコノミーを実現できると期待される。

この寝具業界初のエアウィーヴ生分解性素材マットレスが、早くも実用化されている。

2022年秋から、JR九州「ななつ星 in 九州」豪華列車内の2部屋限定「デラックススイート」に、この新開発生分解性素材採用エアウィーヴマットレスパッドを導入。

もともと2014年からJR九州「ななつ星 in 九州」にエアウィーヴのマットレスパッドが導入され、入替サイクルが訪れた2022年秋に、この生分解性素材マットレスパッドへと更新したかたち。

エアウィーヴは今後、この生分解性素材マットレスの一般商品化も視野に、さらなる開発をすすめていくという。