中古車販売のガリバーなどを手がける IDOM は、2022年9月に発生した「3歳園児バス置き去り事故」を受け、オクト産業と協力し、幼稚園・保育園・認定こども園などの事業者を対象に、通園バス100台に置き去り防止の安全装置(ブザー)を無償で取り付ける。
同社のガリバークルマ支援第2弾の取り組みで、その安全装置取り付け第1号として、10月28日に東京と福島の幼稚園 通園バスに取り付け。そのようすを公開。また、全国の幼稚園などを対象に、無償取り付け希望者を受付フォームから募集する。
オクト産業の販路を IDOM がサポート、まずは創業の地から
IDOM は、事故における一連の報道を受け、地域の幼稚園事業者やそこへ通う子どもたち、その家族が安心して通園できるよう、移動の不安を少しでも解消することができないか模索。
そのなかで、いち早く通園バスの置き去り防止の安全装置を研究・開発したオクト産業と出会い、その熱意に共感、両者ともに福島県に縁ある企業として、タッグを組むことに。
オクト産業は、安全装置の開発に成功するなか、全国に展開するルートや設置・取り付けする設備やリソースを持ち合わせていないという課題があった。
そこで、IDOM がもつ直営工場や全国へのネットワークを活用し、オクト産業が開発した製品を、より早く、より多くの人へ届けられるルートを実現。
まずは、東京都世田谷区と、IDOM 創業の地で、オクト産業の技術を支える評価センターがある福島県郡山市の2か所の幼稚園に、置き去り防止の安全装置(ブザー)を設置することを決めた。
エンジンを切ると社内に警報ブザー、人為的な確認ミスを防止
今回採用されたオクト産業の安全装置(ブザー)は、通園バスのエンジンキーがオフになると、車内に警報ブザーが鳴り始める。
所定時間(任意に設定可)以内に、車内の安全確認を完了して後部座席に据え付けたランプスイッチを押さなければ、車外へも大音量の警報が鳴り響くという仕組み。
人為的な確認ミスをなくすことで、置き去り防止効果を高めている。
また、シンプルな構造で操作が分かりやすく、誰でも使いやすい機材に。有線で接続されているため、電波障害などの影響を受けることなく使える点もポイント。
幼稚園・保育園など設置希望者募集中
IDOM は、幼稚園・保育園・認定こども園などの事業者を対象に、通園バス100台に置き去り防止の安全装置(ブザー)の無償取り付けを展開。
申し込み希望者は、受付フォーム(https://docs.google.com/forms/d/1PbtHdEwSR6qY42rftASbpc2rYdQFlg_4bxBZ2T8RGGI)へ。
また、取付には車両の情報確認が必要であるため、車検証などの情報が必要。正しい情報確認のため、受付フォームではGoogleアカウントでのログインが要る。
政府義務化に先駆けて展開
これまで IDOM は、安心・安全で豊かなカーライフを提供するべく、車の買取・販売事業を主軸としたさまざまなサービスを展開。
また、地元企業市民として自然災害や社会的混乱により、移動に不安を抱える、あらゆる人々に向けた支援活動も、全国各地で実施中。
2020年には、「ガリバークルマ支援第1弾」として、コロナ禍で移動が困難になった人を対象に、IDOM が保有する車両在庫の一部を提供してきた。
今回は、2022年9月に起きてしまった「3歳園児バス置き去り事故」を受け、通園バスの安全装置の開発をいち早く手がけたオクト産業と協力し、全国の幼稚園事業者へ無償モニターを取り付けする支援を展開していく。
2022年9月29日に政府が打ち出した全国約1万6千施設対象の通園バス置き去り防止安全装置取り付け義務化(2023年4月〜)に先駈け、痛ましい事件を一件でも減らし、いち早く多くの親子に安心・安全を届けるべく、100台の設置に向けて順次、オクト産業と安全装置の製造と設置を進めていくという。