香川県 遊食房屋 丸亀店に「讃岐うどん雲丹」爆誕! 多度津高校と共同開発 駆除対象ムラサキウニを再活用し飼育 藻場再生と資源循環を両立 2027年全国展開へ

「讃岐うどんの廃材をウニの餌として再活用できないか」

―――そんな想いからの開発が結実し、10月20日から「讃岐うどん雲丹」が香川県内の店舗で提供開始。

順次提供店舗を拡大させ、2026年の養殖工場拡大移転後に香川県内で卸売り、2027年に全国展開していく。

まずは香川県内「遊食房屋」丸亀店(丸亀市西平山町277-1)で、「讃岐うどん雲丹(お刺身)」(1,650円)が1日限定10食で売り出される↓↓↓
https://www.yusyokubouya.com/

高校生が発想「うどん×海」再生アイデア

「讃岐うどん雲丹」が誕生するきっかけは、2023年11月、香川県立 多度津高校 海洋生産科 大坂吉毅教諭と、香川県を中心に和食店を展開する「遊食房屋」の細川明宏マネージャーが、「讃岐うどんの廃材をウニの餌として再活用できないか」というアイデアを発案したことから。

香川県といえば「讃岐うどん」。その廃材を再利用し、磯焼けの原因となるムラサキウニを養殖・商品化することで、「海と食の両方を循環させる」ことをめざし開発がスタート。

駆除対象ムラサキウニを再活用し飼育 藻場再生と資源循環の両立

香川県多度津町で生まれた「讃岐うどん雲丹」は、地域の高校・企業・大学・行政が連携し、食と海の循環をテーマに誕生した、香川発サステナブルフードプロジェクトが結実した食材。

「讃岐うどん製造の過程で発生する“ゆでこぼし”や“余剰うどん”を冷凍保存し、ムラサキウニの餌として再利用できないか」という循環型のアイデアから始まった。

瀬戸内海では、ムラサキウニが海藻を食い荒らすことで藻場が消失し、魚介類の生息環境が失われる「磯焼け」現象が深刻化している。

庵治漁業協同組合の協力のもと、駆除対象だったムラサキウニを飼育用として再活用し、多度津高校や「讃岐うどん雲丹Labo」で養殖することで、海洋環境保全と食品廃棄物の再活用という二つの社会課題を同時解決し、藻場再生と資源循環の両立をめざした。

廃棄うどんを冷凍保存 ウニの餌に再利用する独自手法を確立

そして2024年4月から多度津高校と遊食房屋の共同による陸上養殖実験がスタート。

庵治漁協の協力で、磯焼け防止のために駆除されたムラサキウニを飼育用個体として活用。

高校生が給餌管理を担当し、うどんだけではなく、給餌はさまざまな材料で比較し(うどん 昆布 イリコ → うどん イリコ → うどん → 昆布 イリコ)実験を重ね、結果的に廃棄うどんを冷凍保存し、ウニの餌として再利用する独自手法を確立。

この取り組みは、香川県水産課や大学とも連携し、2024年11月には味や品質の実験を実施。ウニの成長速度・色味・甘みなど、商品化へのデータを蓄積していった。

磯焼け対策とフードロス削減を両立

「讃岐うどん雲丹」は、ムラサキウニによる磯焼け問題への対策と、うどん廃材のリサイクル(フードロス削減)を両立した新食材。

白くクリーミーな味わいが特徴で、従来の海藻育ちのウニよりも早く成長。

環境・教育・経済の3側面から高く評価され、多度津高校が主体となった「讃岐うどん雲丹プロジェクト」の取り組みが、2025年には「地球環境大賞 奨励賞」や「かがわ食品ロス削減大賞 環境森林部長賞」も受賞した。

2027 築地豊洲で全国販売 ふるさと納税返礼品に

この「讃岐うどん雲丹」、まずは10月20日から遊食房屋 店舗での提供を皮切りに、2026年夏ごろには新養殖場の開設の準備を進行し、香川県市場での卸売りを開始予定、2027年には築地・豊洲での全国販売、ふるさと納税返礼品をめざすというから、楽しみ。

画像提供:遊食房屋