害虫と呼ばれ、悪者扱いされるいきものがいる。
生態系から観ると、彼らにも存在理由がある。
そんな蟲たちの命を「不快」「不利益」という人の都合で奪っていることは、果たして善いのであろうか……。
生物・命の美しさ、有益な側面に焦点を当て制作された作品を通し、生命の循環や存在意義について、考えるきっかけとなることを願う。
―――そんな想いで開催されているのが、害蟲展(がいちゅうてん)season4。
9月2~15日は東京 MATERIO base(東京都中央区東日本橋3-11-2)で、9月20~25日は、箕面公園昆虫館(大阪府箕面市箕面公園1-18)で、9月30日~10月9日は長野・白馬 Re:Public(長野県北安曇郡白馬村北城7078)で開催される。
駆除対象生物を違う視点で見つめ、生態系での役割を知る
「1960年に父が創業した害虫防除会社に家に生を受け、2010年にこの生業を承継してからも、『害虫とは何か』そして『人間としての自らの生とは何か』を考え続け、その業を解くためのヒントを見出すべく生み出された害蟲展(がいちゅうてん)は、今回4回目を迎えます」
そう語るのは、害蟲展 season4 を主催するシェル商事グループ 8thCAL(エシカル)岡部美楠子 代表。
この企画展アートを通し、駆除対象生物を違う視点で見つめ、生態系での役割を知るきっかけを届けていくという。
シェル商事は、1960年創業の法人向けの害虫駆除をメインとする環境衛生管理企業。
8thCAL(エシカル)は、殺虫剤を多用し害虫を駆除する手段から、次世代に託す地球環境をより善いものとするため、より「予防・早期発見」にシフトすることを目的に、環境コンサルテーション・啓蒙・研修などを事業目的とし、2018年に設立した。
「生きた痕跡を残したい」
8thCAL(エシカル)岡部美楠子 代表取締役社長も審査員を務めた今回の 害蟲展 season4 の最優秀賞は、山本衣織作「すめらぎ」、優秀賞は井上郁作「大雀蜂」に。
「すめらぎ」は、トノサマバッタの群生相が大量発生することで起きる災害。このトノサマバッタの群生相を約200匹つくり、ブラックボックス状に合体させている。
「大雀蜂」は、生きた痕跡を残したいという思いで、鋳造で制作。表面の緑色は化学変化で表現している。
悪モノ扱いされる蟲も、存在する理由がある
害蟲展 season4 のテーマは、生物・命の美しさ、有益な側面に焦点を当てて制作された作品を通して、生命の循環や存在意義について考えるきっかけになることをめざした展示会に。
「身近な生活環境に潜む害虫と呼ばれ悪モノ扱いされる蟲も、生態系から見ると存在する理由がある。
8thCAL(エシカル)は、害虫と呼ばれる生き物が、本来の居場所である森に還っていけるよう、人も自然も、すべての生き物が地球上にある限られた環境のなかで、どうしたら“棲み分け”られるか、真剣に考えなければいけないと考えています」(8thCAL)
◆害蟲展 season4
https://sites.google.com/8thcal.design/exhibition/
<協力>
株式会社中川ケミカル
箕面公園昆虫館
<協賛>
シェル商事株式会社
環境機器株式会社
FKK株式会社
大日本除虫菊株式会社
株式会社54
SyncMOF株式会社
株式会社新東通信/CIRCULAR DESIGN STUDIO
一般社団法人バイオミミクリー・ジャパン
株式会社TODOROKI
昆蟲菓舗 灯螂舎
TAKEO株式会社
株式会社アールオーエヌ