JR東海 新幹線運転士むけ新型シミュレータを完備、対話形と自習形で異常事態 対応力を強化

JR東海は、ことし5月に対話形式訓練シミュレータ4台、自習形式訓練シミュレータ36台を、東京・名古屋・大阪にある乗務員職場と総合研修センター(三島)に導入する。

対話形式訓練シミュレータは、講師が指令や車掌役となり、運転士とマンツーマンで対話しながら実施。

自習形式訓練シミュレータは、自身の目的や技量に見合った訓練メニューを選択し、弱点を補強する。

今回導入するシミュレータは、さまざまな異常事態をリアルに再現し、運転士の判断力を高める訓練ができる点が特長。

たとえば、駅ホーム、橋梁、トンネルなどの線路条件や、車内防犯カメラの映像をCG化することで、運転士から実際に見える状況を再現できる点や、運転士が実際に経験する機会が少ない異常事態を再現し、疑似体験できる点も新しい。

また運転士は、再現された異常事態に対して瞬時に判断・機器操作を行い、CG画面の表示結果を通じて、操作が適切であったかどうか体感できる。

JR東海は、こうしたシミュレータの導入で、運転士が実際に経験する機会の少ないさまざまな異常事態を設定し、適切な取扱いを繰り返し訓練することで、異常時対応力を強化する。

これまで同社は、東海道新幹線の安全確保のため、新幹線運転士を対象に、教材を用いた知識面での教育を施し、実際の車両やシミュレータを用いた実践的な訓練を実施してきた。

既存のシミュレータは、車両故障への対応が目的で、今回の2種のシミュレータ導入で、自然災害や列車火災などにおける異常時対応力をさらに向上させるための「異常時訓練シミュレ―タ」導入が完了する。