「時間の縛り」「エリアの縛り」「ロットの縛り」から開放し、「いつでも」「どこへでも」「どれだけでも」というカクヤス独自の配達網をつくりあげ、東京23区を中心に、半径1.2km商圏で酒類販売・無料宅配を手がけているカクヤス。
一般家庭向けと飲食店向けで展開し、飲食店向けはおもに配送センターから大型トラックでルート配達し、家庭向けは「なんでも酒やカクヤス」の店舗をはじめとした拠点からクイックデリバリーを展開している。
その売上内訳は飲食店向けが6割以上を占め、店舗販売は14%、85%が配達による販売で、「1本から送料無料・即日配送」「365日稼働 年中無休の物流体制」という優位性で支持されている。
そんなカクヤスが、料飲店向け展示会「KAKUYASU DEXPO」(5/22 @東京 池袋 サンシャインシティ文化会館)を開催し、佐藤順一 代表取締役社長、徳村健 取締役(商品統括)、前垣内洋行 取締役、マーケティング部 荒川友希主任らが登壇。
カクヤスの2025年3月期 重点施策「個人飲食店を中心とした販売の拡大」「物流体制の強化」「PB商品と酒類以外の商品販売を拡大」「DX推進」「サステナビリティの推進」について説明した。
好調な個人飲食店の新規顧客獲得で販売拡大
大手居酒屋チェーンなどがコロナ前までの売上が7割までしか回復していないなか、個人経営飲食店の売上がコロナ前を超えるほど好調ということで、個人店のオーダー忘れや突発的な需要に応えるべく、時間帯お届けサービスを強化。
配達の利便性を前面に出し、好調な個人飲食店の新規顧客を獲得。さらなる販売拡大をめざしていく。
また、酒類以外の商材である油や調味料なども店舗に提案しながら、購入単価の向上も狙っていくという。
10拠点を増設、配達人財の増強・多様化
カクヤスは、売上拡大・受注件数増加に対応すべく、物流体制も強化し、あわせて多様な配達人財も確保していく。
まずは出店を含む拠点の再編により、10拠点を増設。配達人材は、リヤカーや台車を含む、配達手段を拡充させる。
リヤカーや台車は、運転免許証がなくても運べる配達手段で、これらに対応することで、配達人財の多様化も手がけていくという。
PB商品と酒類以外を拡充
カクヤスでは、「Kprice」というPB(プライベートブランド)商品を展開中。
一般的な小売業のPB比率は平均16~17%というなか、カクヤスは3.5%とその割合は小さいことから、PB商品と酒類以外の商品も拡大させていく。
具体的には、現在59品目をラインナップするカクヤスPB商品を、コスパ・タイパを重視したPB新商品を今年度89品目(1.5倍)に増やしていく。
こうした低価格・高付加価値のPB商品を顧客に提案することで、商品の魅力度と利益率アップを図るという。
公式アプリ・ECサイト改修、ID決済・自社PT導入も
カクヤスは、顧客サービスの利便性の向上に向けて、DX(デジタル・トランスフォーメイション)も手がけていく。
具体的には、公式アプリやECサイトを改修し、ユーザビリティ・アクセシビリティを向上させるほか、ID決済や玄関先(軒先)決済、自社ポイントも導入していく。
また、オペレーションの効率化も推進。配達管理など社内プロセスをシステム化し、収益体質改善につなげていくという。
リユース容器を使用した商品を拡充
カクヤスは、サステナビリティ基本方針のもと、サプライチェーンマネジメント構築と環境課題への取り組みも推進。
Loop Japan が展開するリユースプラットフォーム「Loop」に参画し、自社2way型サービスを活用したサプライチェーンの連携と、サーキュラーエコノミーに向けてリユース容器を使用した商品を拡充させていく。
もともとカクヤスは、回収も強みにした 2way型サービスを展開。販売したビール瓶や樽詰商品などのリターナブル容器を回収している。
このカクヤスの 2way型サービスを活かし、Loop のリユース容器商品の取り扱いを拡大することで、事業を通じた環境課題への取り組みを加速させる。
まずは種類以外の業務用洗剤や消毒液、リターナブル飲料、調味料などを開発し、今夏に第一弾を発売するという。
さらに、飲食店や家庭で発生した廃食用油を回収し、持続可能な航空燃料(SAF)につくり替える取り組みも6月下旬から始動するというから、今後の展開に注目だ。