横須賀 異臭騒ぎで明らかになったイソペンタンとは?

神奈川県によれば、ことし6月以降、横須賀市の東京湾側を中心に、三浦半島から横浜市にかけた広範囲で「ガス臭い」「ゴムが焼けたような臭い」といった異臭の通報が複数寄せられたという。

県は、関係機関と連携し原因を究明中。10月14・15日に横須賀市消防が大気の採取を行い、神奈川県環境科学センターで分析を行った結果、「ガソリンなどに含まれるイソペンタン等の物質が検出された」と。

このイソペンタンとは?

(デジタル大辞泉の解説)イソペンタン【isopentane】ペンタンの異性体の一種。ほとんど無色で特有な臭いを発する揮発性の液体。液体窒素やプロパンと混ぜて、寒剤として利用される。2-メチルブタン。(引用終わり)

ここでいう「寒剤」は、「二つ以上の物質を混合して低温が得られる冷却剤」のこと。国連の専門機関「ILO」の公開情報によると、イソペンタンは一次災害で「引火性がきわめて高い。 加熱すると圧力が上昇し、破裂の危険性がある。 蒸気/空気の混合気体は、爆発性である。」と記載されている。

国連GHS判定基準に準拠した分類・表示では、「きわめて引火性の高い液体および蒸気」「眠気やめまいのおそれ」「飲み込んで気道に侵入すると、生命に危険のおそれ」「水生生物に毒性」と記載がある。

神奈川県は、今回の分析の結果、「いずれも毒性は低い物質であり、濃度も低いことから、ただちに健康に影響を及ぼすレベルではないと思われます。同様に、ガソリンなどに含まれ、有害性があることから環境基準が定められているベンゼンも検出されましたが、環境基準値を下回る濃度でした。異臭を感じた場合は、念のため速やかに室内に退避し、窓を閉め外気を遮断するようにしてください」と伝えている。